TakeshiUchida

青春ジャック止められるか、俺たちを2のTakeshiUchidaのレビュー・感想・評価

4.2
監督、脚本家として自分自身を主人公にした映画を完成させた井上監督の勇気は凄いと思った。インタビューでも語っているけど脚本に行き詰まって自分自身の名前をト書きに書いたとき背筋に冷たいものが流れたと言っていたけどそうだろうなと思った。
この映画、体裁としては青春グラフティものになるんだろう。グランドホテル形式ともいえるがそれにしては登場人物の距離が近い。ただ、井上青年、金本と若松監督、木全支配人の間の世代差が切なさを醸し出していてオイラとしてはたいそう好みです。
採録シナリオのシーン50、井上青年が東京で挫折して最初にシネマスコーレに帰ってくるとポスターを直していている木全支配人と金本がいる。ここでの杉田君と芋生さんの芝居が最高にいいのですね、なんちゅーのかな世代的にドンピシャなので時代の雰囲気がよく描けてるんだと思います。
そのあとの初監督作品のくだりも思わずふふってにやけてしまうし。しかし二十歳そこそこの駆け出しの助監督に一本撮らせてしまう若松プロは本当にぶっ飛んでるなあ、結局はああいう事になってしまうけどね。
大変良質な映画を観れたと思います。よかったです。
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