ひすい

ぼくを葬る(おくる)のひすいのネタバレレビュー・内容・結末

ぼくを葬る(おくる)(2005年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

気になっていたフランソワ・オゾン監督の作品。フランスの映画だし、グザヴィエ・ドラン監督みたいな実験的で芸術的すぎな難しい作品かな?と思っていたら、そんなことはなく、とっても美しい良い映画だった。ただやはりフランス映画、官能的なシーンが多い。それでも主人公が必死に自分の死を受け入れようとする姿、拒絶する姿、またそれをどこか感じつつも見守る家族や友人の姿が切なく優しい。自分に似た男の子を見かける度に、何度も子供時代の自分を重ねて追憶しながら自らのこれまでの人生を噛みしめ、肯定しているように見えた。後半に自分のトレードマークでもあった美しいカールの髪をバリカンで剃ってしまうシーンは悲しみとともにある種の決意を感じた。海岸のボールを男の子に渡すシーンから夕日のシーンはとても好き。諦めとも違う、運命を受容した穏やかな最期が描かれていたと思う。
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