クソ仕事ムービーだった。クソ仕事に加担したことある身としては、該当のシーンはつらすぎた。ああいう訳のわからない仕事はしたくない。が、会社員であれば、とつぜん降ってくることだってある(なんでそんなことがおこるんだ?)(悪は存在しない、はずなのに)
山の中の美しい生活を思いっきりぶち壊すようなシーンを遠慮なく入れられるのが濱口監督だなと思った。あの絶妙な、冷えていくような、ユーモアの匙加減ってなんなんだろう。おそろいよ。どうかあのまま世界で、世界が不穏に包まれてしまうほうが、よっぽど美しく思えてしまうのは、都会に住む自分のエゴだろうか。
題材が恋愛ではない作品を見れたことがよかった。恋愛における人間同士の感情が垂れ流れ続けてカオスになっていくことを描く名手ではあると思う。けど、人間同士が関わるときに生まれる狂気が、恋愛でないかたちで描かれた作品がみれてよかった。