なんというか、どこかの国で作られた映画を小さな劇場で見て「どういうことだったんだ？」となるような。ただ、難しいながらにそれが重く心に響いてくるような。そんな気分になりました。どこかの国で作られた得体の知れない映画です。これは。こんな映画を作る人が日本にいることが素直に嬉しいです。
どうなっていくのかわからない映画でしたが、ラストで本当にわけがわからなくなってエンドロールが流れました。「え」となって心拍数が上がったまま、照明の灯った映画館の席に放り出されたような。
巧の行動の動機をいろいろ考えてみましたが、人間社会の論理で納得する答えはないように思えました。とりあえず今はレビューサイトでいろんな意見を見るのが楽しいです。
濱口竜介作品は運転中の車内の会話シーンがとにかく好きです。今作でも、芸能事務所の社員2人が車中で交わす会話のシーンが素晴らしかった。
その後、うどん屋で話すシーンもすごく良かった。車内のノリでしていた話を本当に巧に話してしまう高橋と、マジかこいつって顔をする黛。最高です。
