濱口監督の、美しい風景に印象的なモチーフを載せる画作りが好きです。白銀の森を歩く青いダウンの少女。無垢なる存在感が際立つ。
やや棒読みな演技が、有名俳優が出ていない事もあってドキュメンタリーを観ているような効果を醸していました。
約束を忘れっぽい父・巧と、フラフラと一人で森へ出かけてしまう娘・花の親子の危なっかしさ。猟の銃声と、半矢の鹿の亡骸などなど、序盤から不穏さが織り込まれて、いつ惨劇が起こるのか?!とヒリヒリしながら見進めた。
車の使い方が本当に上手い。ハンドルを握っているのは誰か。トンネルでの喫煙シーンは魔が刺した瞬間か?
ラストは現実か、朝靄が見せた幻想か。