題名にここまで鑑賞後引っ張られる作品だったとは…
地元住民と余所者の二項対立。その対立をなぞる社会派作品かと思いきや、もっと大きな”何か”が存在しており、まんまと飲み込まれてしまった。
〜以下ネタ微バレ〜
1カット1カット丁寧に描いていくことで、鑑賞者がまるでその空間に同化するような近さを生み出し、ラストに至るまでの臨場感が段違いだった。
演者の一人一人がまるで演技などしていないのではと思うぐらい自然体であるにも関わらず、会話の中には”演劇としての壁”はしっかり存在しており、そのバランスがとてつもなく監督の色を出しており、良い味になっていた。
後半死の香り漂う緊迫感に、止まっていた針が突如として動き出したかのようなスピード感を覚えた。メリハリの付け方に腕を感じる…
上流のものは下流に流れる。
悪いものも含めて。
だからこそ”上”のものは”下”のものに責任がある。
これを区長が淡々と説明するパートが妙に記憶に残ってやまなかった。