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悪は存在しないのmoeのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


パンフレットの表紙に書いてあった言葉のとおり
観るもの誰もが無関係でいられない、
心を揺さぶる作品
ほんとにそうだった。

カメラワークが工夫されているのと、
作中の会話が、ドキュメントチックで
まるで自分もその場にいるような感覚になった。

観る人それぞれ考えることは違うと思います。
"悪は存在しない"というタイトルをどう受けとめるか。

自然という言葉は、人間の都合によりできた言葉だそうで、
人間が自身を中心において、それ以外のものを自然としてあちら側に置いた。
人間の都合のいいように、自然を開拓していく中で、自然を守ろうとするある種の母性から生まれたそうです。
人間が自然を開拓しなければ、自然という言葉は生まれなかった。
自然を守りたいという事自体が、人間の身勝手なこと。

自然の言葉には、
地震や津波などの災害の形で、人間の命を奪っていく。

どちらにせよ、人は開拓しなければ生きていけないし、津波や地震も仕方がない事。

自然=仕方がない事=悪は存在しない
という意味なのかなと深々考えた末、思いました。
考えれば考えるほど、わからなくなりました。

特にラストのシーンは何が起こったのかという感じでした。

高橋→自然の言葉を借りると開拓しようとするする人
鹿→自然の言葉を借りると、天災のようなもの

花はその自然によって殺された?

ラスト巧が高橋の首を絞めるシーンが本作を物語っていたように思った。
本来、鹿は臆病な生き物であり
巧は作中で
「鹿が人を襲う事は絶対にない」
と断言していた。
「ただ、半矢は逃げられないと知れば襲う可能性もあるが絶対にない」と言ってました。

高橋が花を見つけて、花ちゃんと大きな声を出した結果、銃声で撃たれた鹿は花ちゃんを襲った。大きな声を出すのを咄嗟に止めるため高橋の首絞めた。
それでも、鹿を銃声で打ったのはやっぱり人間の身勝手な行動の結果、鹿を警戒させてしまったあげく、さらに高橋の声により起こってしまった。
自然を壊すことを反対する住人についても、
巧み自身、車の排気ガスや木をチェーンソウで切ったりしている。

"銃声で撃たれた鹿"に花が殺されてしまった

この事実は自然により、
人間の身勝手な行動の蓄積により、
しょうがなく起こってしまった事で、
やはり本作の作名の通り、
悪は存在しないという結果になるのかなぁ。。

考え出すと、あれこれと考えが錯乱していく。

わからん。。。

濱口監督
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