何が面白いのか言語化が難しいが
ただ抜群に面白い
“悪は存在しない”
そんなタイトルですから
念頭にそれがある状態で鑑賞するわけです
視点が切り替わるたびにこの“悪は存在しない”
というタイトルの意味に思考をめぐらし決して浅くも深くもない自分なりの解釈に落ち着きそうだと思ってたところであのクライマックスです
見事に全てが掻き乱されました
賛否や議論待ったなしのクライマックスに
その唐突に起こる出来事を脳が理解できずに混乱して冷静さを取り戻す頃にはエンドクレジットも終わり劇場が明るくなる
ちょっと誰も話しかけないでくれ
この状態が
脳の血流が正常になるまで話しかけないで
そんな混乱状態です
(みんなそうでしょ)
目的なく歩きながら作品を振り返る
登場人物の行動やセリフを思い出すほどに
このクライマックスへの必然性がぼんやり見えてくる
鑑賞した人それぞれの解釈があって良いと思うがあくまで私としての咀嚼
蓄積したもののバランスが崩れる瞬間は
その瞬間までは均衡を保っているように見えるもの
崩れる瞬間にかかる力はわずか
それでも崩れ始めたら大きく止まらない
巧と花の関係性
車内でのタバコの煙の先
現実逃避としての目線
鹿を巡る会話
それぞれは些細な積み重ね
自然との共存なんてそもそも無い
ただ今住んでいる人たちのみの調和
描かれる全てがラストに収束していくようで
お見事でした
全体的に会話劇が素晴らしく
それぞれの役の特徴が出たコメディ要素がめちゃくちゃ面白い
物語上における配置も完璧で説明会の後だからこその車内での2人の会話やうどん屋での静かに面白いやりとり
会話シーンのためにも何度も足を運びたくなる
個人的に黛役の渋谷采郁さんが好きな顔すぎて推し確定だったりしたのは内緒
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劇場名 :ジャック&ベティ
上映日 :2024/05/18(土)
上映時間:14:40 ~
上映劇場:ベティ
上映作品:悪は存在しない
座席 :E-5