ShinMakita

アダージョのShinMakitaのレビュー・感想・評価

アダージョ(2023年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.2
☆Filmarks基準スコア:3.3






イタリア、ローマ。
認知症の父デイトナと暮らす16歳の少年マヌエルは、ドラッグ所持の罪を帳消しにする代わりに「仕事」をしろと国家憲兵隊(カラビニエリ)の刑事バスコに脅された。あるクラブに潜入し写真を撮ってこいというのだ。引き受けてしまったマヌエルだが、クラブ内のコカイン摂取や男娼たちの踊りが警察に盗撮されているのに気づき、自分も映ってしまっているのが怖くなってその場から逃げ出してしまう。向かった先は父の昔の仲間ポルニューマンのアパート。盲目のポルニューマンは、カメロを頼れと話し、マヌエルの携帯を預かった。
一方、逃げたマヌエルを追跡するバスコは、口を割らないポルニューマンを殺害、デイトナを拉致してマヌエルの居場所を吐かせようとする…



「アダージョ」




元ヤクザのカメロ(ロメオ・バレッタ)は息子ロロを亡くした末期癌の男。そんな彼が、ロロを死なせた昔の仲間デイトナの息子を助けるために悪徳警官に立ち向かう…というノワール。イタリア製の渋い裏社会モノといえばもちろん監督はステファノ・ソッリマです。

ローマで大規模火災が起き、停電や交通インフラの混乱が続いている、という背景が普通のノワール映画と異質。電気が消えたら付いたり…いわゆるリセットができるものとは違い、過去の因縁やヤクザとしての性質はリセットできないという話なんですな。バスコ刑事にもマヌエルと同いどしくらいの息子がいて、その息子とマヌエルが署内で交差するラストも粋。クライマックスの駅構内シークエンスは「カリートの道」を思いださせたな。まずまず。
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