面白かった。映画祭見逃し作品。「マーシュランド」のアルベルト・ロドリゲス監督 x ミゲル・エラン、ハビエル・グティエレス共演。スペインで実際に起こった出来事から着想を得た物語。
無実の罪で捕まった会計士の若者とベテラン囚人の師弟関係と脱獄の物語は「ショーシャンクの空に」を彷彿とさせるが、穏やかな話ではなくこちらは暴力が激しい。血は流れ人は死ぬ。

フランコ独裁政権が終わった数年後で民主主義へと移行する時期、国家は変わっていっても刑務所内はフランコ政権の残党だらけ…みたいな様子で一向に変わる気配はない。

このモデロ刑務所(実在する刑務所で現在は観光地)、バルセロナ市街の住宅密集地の中にどんと佇み、バルサのホームスタジアムからも近いようで、こんな場所に刑務所あるの？と思うが、模範的な刑務所として存在するようなのでなんとかなっているんだろうか。対外的にはそう見なされていると劇中でも言っていた。
でも実態は…主人公マヌエルも中に入って知ったのだろう。

独裁政権→民主主義に変わったことで独裁政権下の理不尽な基準で捕まった多くの者が恩赦を求めたり、囚人の人権組合みたいな役割までしてる囚人調整組織(COPEL)がいたり、刑務所の立地を活かして窓や屋根から横断幕やビラ撒き等で外の市民に呼び掛けたり、外の市民はそれに呼応してデモで囚人の人権を訴えたり…他の刑務所映画ではあまり見ない光景は印象的だった。

囚人たちが動かなければ変わらなかったかもしれないと思うと…。
毅然と立ち向かう者と話を聞く外部の者がいてよかった。

この看守たちはどうなったんだろうな？
エンディング前の後日譚説明には看守については書かれていなかった。

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