経年変化

人間の境界の経年変化のレビュー・感想・評価

人間の境界(2023年製作の映画)
4.2
多視点的に国境界隈を立体化していく叙述が没入を誘う。難民の押しつけ合い、ひいては遺体の押しつけ合いにまで悪化を辿る人道外れた愚行を目の当たりにしつつ、コロナという台詞が出てきた瞬間、「ああ…これは本当に数年前の出来事なんだ…」とハッとさせられた。自分はあの瞬間を忘れる事ができないでいる。立場を超えた相互理解が束の間光を射す。そして映画は武器になる。

もしワイダがこの映画を観ていたら何て言うだろう