超ヘビーな激重映画。
ベラルーシとポーランドの国境の話。
シリア人難民家族、支援活動家、国境警備隊の青年など複数の視点から描き出す群像劇。
ドキュメンタリーと見紛うほどの究極のリアリズム。
汚い人間たちとは裏腹に、終始モノクロで展開される圧倒的映像美。
ドキュメンタリーではなく、作られたストーリーだから監督の意図することが伝わりやすいし、見やすいし、まとまりが良い。
とくに、登場人物の心の変化や人間性が繊細に描かれている。
ドキュメンタリー映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』でも似たようなテーマを取り扱っていたが、それとは違う良さがある。
いくら作られたストーリーと言っても、こういうことが現在でも行われているという事実は変わらない。
無駄のないカメラワークの美しさに度肝を抜かれた。