葉月

人間の境界の葉月のレビュー・感想・評価

人間の境界(2023年製作の映画)
4.2
全編モノクロのため先の戦争中の話だろうか、そうだと思い込みたくなる程、現代で今なお起きている難民に対しての非人道的行為がこれでもかと映され続け、かと思えば国境警備隊側の葛藤も描き、改めてかつてホロコーストの起こったポーランドが主な舞台であることを思い出して愕然とする。誰しも加害者側になる可能性を示唆してくる凄まじい映画でした。

特にエピローグでは、政治的理由によりウクライナからの亡命の受け入れたことで(そのことは人道的行為であるはずなのに)命の選別が行われていることを突きつけてくる。まさに「人間の境界」。見事な邦題だと思いました。
葉月

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