いかんせんノンポリというか政治自体には鑑賞時しか興味を示さないもので「へえ、そんなんだ」ということが多いのだが、この作品の特長としたら、爆発などの派手な演出が出来ない分、誰しもが感情を激しく吐露しているところにあると思う。それは、視点の異なる当事者たちすべてであり、イスラム圏からの難民を虐待しているポーランドとベラルーシの国境警備隊であってもそうだし、活動家であってもそう。なんとか過剰に感じさせずに起きたことを見せていると思う。そうかウクライナにはそんなに甘々だったのなってラストの皮肉っぷり、警備隊青年の陰と対照的な寝床にありつけた若い難民たちと受け入れた若者たちのYoussoupha - Mourir mille foisのラップも印象的だ。
まあ、難民問題も、日本だってこれからは他人事ではほんとなくなって、ここまでとはいかなくても抱えてくるのかもしれないな。
