Paula

DOGMAN ドッグマンのPaulaのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.0
Douglas : I always liked disguises. It's
     what you do when you don't
     really know who you are,
     right? You dress up, you make
     up a past to forget your own.
Evelyn: Did you know anyone else?
    Somebody that could show you
    some attention or affection?
Douglas : A child takes affection where
     he can get it. They're my
     babies. As far as I can tell,
     they only have one flaw:
     they trust humans.

女子よりも遺伝的に弱いとされる男子。そのことは、別にして、ヘブライ語聖書から始まり、200年ほど前の戯曲『南総里見八犬伝』でも登場する民俗学で言う「ハレ」の表象のひとつとしてとらえる事のできるクロスドレッサー...以前は、日常的に使われていた医療的に診断された呼称:トランスヴェスタイトよりもネガティブさがクロスドレッサーにはないと言う事から派生的必然性のために生み出されたとされている。
付け加えるとするなら小説家であり歴史家、それよりもオカルト研究で知られるコリン・ウィルソンによるとクロスドレッサーの愛好者は決して変態的性的倒錯者ではないと言っている。あたしも同感で、この映画にはシンパシーを感じる。

この映画が、リュック・ベッソンの作品だと何も予見無しで観ると何人の方が彼の美学が分かるのかが疑問となり、また彼の傾きかけた自らの映画制作会社の借金返済のために低予算の女性アサシンものを定期的に世に出していたことから考えると彼なりに別の指向のモノを世に送りだす余裕ができたのかもしれない。

There’s a theory that people that own
dogs end up becoming like their pets.
上の文章と下のものとは明らかに主語が異なっている。これらの文章の違いを知ったり分かれば人類の古くからの友を「人間を容易に信じる欠点がある。」というセリフは出てこないかもしれない!?

Why Dogs And Their Owners Sometimes
Look Alike, According To Science
Experiment.(犬のトレーニングに関するサイト:Cesar’s Wayより)

マリリン・モンローのアンサンブルの衣装から始まり、主人公ダグラスの孤独感は映画『ウイラード』のようであり、または脚本家の自伝的回顧録で登場するトラビスのようでもある。そして児童虐待やネグレクトのシーンは『Profiling 101』では必須アイテムとなっている。

何が言いたいのか? 
既にどこかで観たことがある! ...ということ。
さらにフィルムスコアをマレーネ・ディートリヒ、エディット・ピアフ、マリリン・モンローといったシャンテューズによるオールディーズはより一層増すこととなる。

それよりも何よりも、『ジョーカー』の影が見え隠れするところかもしれない。
心理学者エヴリンの存在、彼の孤独なバック・グラウンド、そしてドラッグ・クイーンとしてのモンロー風派手な衣装とメーキャップから。
ただし、あたしとしては“神は死んだ”ことで理想と現実が崩壊したことを改めて知ることになる、そのくだらない存在から、ゲスのおバカ役者が演じていた『ジョーカー』よりも『ニトラム NITRAM』を見た経験のある方なら、彼の素晴らしい演技が本作『Dogman』でも再現されている事実を見て知る事になります。

そこんとこ... (´。•◡•。) 夜露死苦‼
Paula

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