ご機嫌な黄色

DOGMAN ドッグマンのご機嫌な黄色のレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.0
GODさんとやらよぉ、これじゃああまりにも悲しすぎやしないかい?
ベッソンのダンナよぉ、あんたぁ悲しみばかり現実で、虚構でもそっとたっぷりすくってくれてもバチぁあたんないじゃないかい?
え?犬がいただろ?そうだよな、犬が愛してくれたらオールオッケーなんだったな
しかもあの物量でな、そうだったな……
(⁠´⁠・⁠ ⁠ω⁠ ⁠・`)

“ダークヒーロー爆誕”ではないよな

劣悪な環境には小さな穴があったし、その傍らには犬がいた
そして大きな犠牲を払って出てきた世界には芝居もお化粧も歌もあったし、やっぱり傍らには犬がいた
DOGの反転はGOD、ありがちだけれど、よく使えている
‘人への忠誠心が唯一の欠点’な神の遣いと、善悪云々ではなく只生きる為の手段が違法となったケイレブ・ランドリー・ジョーンズ演じる主人公は清廉である

神が犬を遣わしたように、
私達にはダグラスが遣わされた
祝福されたくて、愛されたくて、ただそれだけのダグラス

✨ケイレブの芝居が見事、彼を堪能する作品と言っても過言ではない
ますます目が離せない
何でも出来るけれど、私は彼の聖なる感じが好き(発達障害に見出すのではなく、スリービルボードのあの感じね、念の為)
傷付いた背中から振り返った瞬間ゾクッとして、最後までまでずっと惹きつけられていた
エディット・ピアフ憑依が白眉で、ぽっちゃりめなドラッグクイーンのルックなのに、命を削りながら自らの脚で立つ彼は身体的にもボロボロだった彼女の悲劇性をこの上なく体現していた
このシーンには心底映画館に来て良かったなと思えた
犬種様々なわんわん達の芝居も見事
ダグラスと心通わせ、手足として健気に尽くす姿や表情も物語ること多くてたまらないし😢、
統制されたわんわんギャングの活躍😍も今作の見どころであった✨

その悲惨で信仰的でシリアスな運びと
わんわんギャングの外連味のバランスも秀逸で、
シェイクスピアの世界もショービズ界の清濁併呑なカラフルさも、エンタメ映画としての運びは調子良く感じた
選曲も👍
ただ、わんわんの働きはどんどんファンタジーに近づくし、敵とのアクションはギャグの域だしで、少しだけ冷めてしまった点も

神の御心のままに生き、
神から与えられた自由意志により祝福されることを選んだダグラス
最終的檻は、肉体だったのか

少年ダグラスは恋をしながら青年ダグラスとなった
恋する表情が全く同じで、泣いた😢
ご機嫌な黄色

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