たむ

DOGMAN ドッグマンのたむのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.5
リュック・ベッソン監督の新作がヴェネツィア国際映画祭のコンペティションに入ったという個人的にはある種の衝撃が走った作品です。
フランス映画史上の巨額の制作費でSFを作って大コケ、良くも悪くもB級のヒロインアクション映画、脚本家としてはオヤジの活躍を描くアクション…。
リュック・ベッソン監督のイメージは、『グランブルー』や『レオン』の時とは大きく変わりました。
変わることは悪い事ではないものの、3大映画祭のコンペティションとはもう無縁、と思ったら、硬派で社会派な骨太映画を作り上げました。
しかも、アンダーグラウンドの世界、孤独や抑圧された人々を描く事を得意としてきた、蓄積された映画術が集約されています。
主人公もジェンダーを超える、これまでのヒーロー、ヒロイン像をアップデートしてきます。
初期の頃のポスト・ヌーヴェルヴァーグな作風から、ハリウッド映画を超える荒唐無稽なアクションを描く作風を経て、本作が誕生したような印象ですね。
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