ユウト

DOGMAN ドッグマンのユウトのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.0
リュック・ベッソン監督の新作。
久しぶりの感じだが、あれ?監督引退とか言っていなかったっけ?
少し前に観た作品(ANNA/アナ?)は名作『ニキータ』のセルフリメイクみたいな印象と記憶。
リュック・ベッソン監督は長編処女作『最後の戦い』を
今は無き東京ファンタスティック映画祭で観てから追いかけていた。
僕の中で『グラン・ブルー』が最高傑作。
(生涯お気に入り100本にゴリ押ししたいほど惚れた映画である。)
初期の作風は荒削りでヌーベルバーグ以後の新しい風という喩えがピッタリだったが、
制作脚本作が増えてリュック・ベッソンブランドは(娯楽映画の金太郎飴状態で)
どの作品も代わり映えしない。
荒削りのヤンチャなフランス野郎が、
まんまと丸くなって分かり易い大人になり、
ビジネス娯楽映画しか量産しなくなった、
としたら言い過ぎか。
(いつまでも日本人を小馬鹿にするフランス野郎でよかったのに。)

さて、新作である。
もともと彼の映画は日本の青年マンガみたいなモノなので面白かった。
僕のダイスキな犬たちが活躍するし傷つかないので安心して楽しめた。
(実際のワンコ像からはかけ離れ、漫画チックなおとぎ話のワンコ達であった。
調子のいいディズニーアニメのようである。褒めています。)
ラストシーンで何故か泣いている自分は涙を拭いていた。
(リュック・ベッソンで泣くなんてグラン・ブルー以来である。)
あまりにもワンコ達が可愛くて健気で泣いたのだ。
リュック・ベッソンで泣いたのではない。
(ちなみにワンコは強きに強く、弱きに弱い対応をする習性がある。)
ただリュック・ベッソンは、
娯楽映画を撮らせたら平均点は楽しませられる映画人であると再確認した。
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