ふじこ

流れ星のふじこのネタバレレビュー・内容・結末

流れ星(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

奔放に生きるシングルマザーとその娘クロエ。母親の新しい彼氏と海へ行き、嫌いだった海産物が意外と悪くない事を知ったり、美しい流れ星を見たり。次第に母親の彼氏に惹かれていくクロエ。
しかし彼はある日突然車を置いて去っていってしまう。
その日々を、悲しむ母を支えながら思い返すお話。


これは…。思わず眉を顰めたくなっちゃうくらい、"母親が女"なのよね…。
年頃の子供の前で不適切な接触はするべきではないし、1泊2泊の旅行で見られるかも知れない性行為も控えるべきだとわたしの常識では判断するんだけど。こういう人も世の中にはいるんだろうなあ。

クロエは思春期の女の子で、普通は両親が両親ではなく男と女であるって部分に嫌悪感を抱く年頃だと思うんだけど、クロエは母親の事が好きなのがちょっと変わってるなと思ってた。
母親とクロエ、の関係性はこれで完成しているのかも知れない。

で、そこに入ってきた新しい男。クロエに拠れば、前の男よりも前の前の男よりも良い人間らしい。
本質的に母親とクロエは同じ様な女で、だから同じ人に惹かれるのかな?って思ったけれど、母が選んだ前の男は禄でもなかったみたいだから、クロエが母の彼氏に感じた男は彼女が知らない父性への憧れや、目にする機会の少ない"普通の男性"だったのかも。
そして顔も悪くないのだ。わたし好みだ。

彼はそんな普通の男だったからこそ、クロエから発せられる雰囲気を感じ取り、黙って出ていく事にしたんだと思う。
判断力◎
まぁ裏を返せばそれを押し退けるだけの魅力がクロエの母親にはなかったのかなと思うと悲しくもあるんだけど。
恐らく世の中の普通の男性は、この判断をするんだと思う。下手すりゃ犯罪になっちゃう。

クロエは彼に戻ってきて欲しかったし、一緒にマリファナを吸って見上げた夜空の思い出を車と一緒に持っていって貰えなかった事も悲しく思うのだけれど、やはり母親と言うものを一番大切に思う気持ちを新たに見付けて、それで良かったのだと納得しているのだから、今後の人生でたまに思い出すような事があっても彼女の糧となる青春の一幕だったって事で良いんじゃないかな。母親は少し可哀想だけど。
ふじこ

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