むーん

ある閉ざされた雪の山荘でのむーんのネタバレレビュー・内容・結末

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

原作は既読だが、かなり前に読んだので記憶は曖昧。
字幕の演出や山荘の間取りの見せ方などは嫌いじゃなかった。トリックが重視される本格路線のミステリである以上、人間ドラマがペラッペラなのも別に構わない。ただ、核となる叙述トリックが映像に起こしたときにあまり旨味がないというところと、台詞回しがちょっとウンザリするぐらいにチープなのが気になった(作中作の舞台演劇にしても、犯人の説得パートにしても、肝心なところがぜんぶ上滑りしている印象)。いわゆる『人間が描けていない』タイプのミステリとしてはドラマパートに尺を割き過ぎていて、説明過多に思える。
あと、これはおそらく原作の時点で抱えている問題なのだと思うけれど、状況設定が明確ではないのでサスペンスとしてのスリルが全くない。実際に殺人が起きてるのだとしたら周辺のキャラクターの動きが杜撰すぎるし、狂言だったにしても、この山荘を出た後はどう誤魔化すつもりだったのだろうという疑問はある。『そして誰もいなくなった』のオマージュ作としてはあまりにも弱い。
30年前の原作を引っ張り出してきてまでして映画化した意義が今ひとつ分からなかった。
むーん

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