うさぎ部うさこ

ぼくは君たちを憎まないことにしたのうさぎ部うさこのレビュー・感想・評価

3.8
2015年のパリ同時多発テロ事件で最愛の妻を失ったジャーナリストを描いた物語。突然愛する人を失った時の絶望や喪失感は当事者にしかわからないと思うが、本作では主人公が受けたショック、怒り、苛立ち、悲しみ、やるせなさ、困惑、そして希望が巧みに表現されていた。ヨブ記の「主は与え、主は取られる。主の御名は誉むべきかな」を思い出した。残念な点は、一被害者がテロリストを憎まないということが表明されてはいても、社会がテロにどう向き合うべきかが掘り下げられていないこと。
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