海辺の家の景色、そこから自転車で坂を降りていくシーンは美しかった。杉咲花もこの世界観によく似合い、全力の演技。が…
序盤、サントリーのアピールが結構目についてああそういう映画なのかな?とノイズになってしまいそこからもう夢中になれなかった。
社会問題をつめこんだテーマは企画書映えしそうではあるけれど、ここまであからさまだと下心に感じてしまう。
原作のエピソードやシーンを消化するためにひとつひとつのシーンが設定されている感じで、余白や余韻がなく、人物への解像度も甘いままストーリーが進んでいってしまう。全体的に観客に感じさせる、察させるというより説明されていく感じ。ここは東京?九州?というところ混乱。
叫びがち、力の差はどうした?、死んだ人と話す、などひとつひとつのリアリティがちょっと雑かなと思った。あとCGが安っぽくて冷めてしまう。
余白とか奥行きとかを叶えるには要素を削ってどこかにフォーカスする必要があったと思うが、削れば削ったで問題視されたりするから、原作モノって難しいんだろうなと思った。
余貴美子さんの演技は素晴らしかった。