ココカラ

52ヘルツのクジラたちのココカラのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
5.0
生きていれば、世界は自分が思っている以上に広いことに気付かされる日々。その中にたった一人かもしれないし二人かもしれないが魂の番がいるのかもしれません。
ある傷を抱えたキナコだが、辛い事を乗り越えてきたアンさんの声だからこそ、苦しんできたキナコの心に響きキナコの心を開いていくのだと思います。
「我慢しているものを出せばいい」と声をかけ全て吐き出させてくれるアンさん。
「私にもたった一人私の声を聞いてくれた人がいたんだよ」と信頼できる人ができたキナコ。
私にも大切な人がいる。自分に厳しい人ではっきりと人に意見できるのはアンさんと重なる。
キナコが少年に「あなたにとって必要な人間にさせてよ」と伝える場面。
〜でも、自分に甘い人や遊ぶことしか考えていない人にそんな資格は無いし、偉そうに言われたくないよね。
でもキナコはそうじゃない。困難を乗り越えてきたキナコだから少年を助けられる。
声を聞いてくれる人がいることに感謝して生きていこうと思ったと同時に、声を出すことで大切な人に必要な存在になりたいし、声に出せない声を聞いて、生きたい。アンさんの声はみんなの心の中で響き続いていくことだろう。
この映画のメッセージは「声」だ。
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