原作もこれでもかという位に悲劇的なエピソードが多いが、映画もまあ痛々しい中身。
母にDVを食らっていた貴瑚は3年後、東京から大分の田舎にひっそりと暮らしていた。
そこで出会う名前の分からない少年に52と名付け育てていこうとするが、過去の行いが現在にも圧し掛かってくる。
現在と過去を交互に映していき、なぜ貴瑚が東京を離れたのか。
そこには友人との出会いや、悲しい事件が付きまとう。
挙がる出来事だけでも、DVに毒親にジェンダーにネグレクト。
これでもかと社会的問題が内包されており、本で読むのと映像で違うのはやはり安吾の存在。
そして全編出ているのが杉咲花であり、悲劇を一身に背負う役柄すらも何なくこなしている様で、もはや演じられない役があるのかどうかの領域に入ってきている。