SEIJISAN

ネバーセイ・ネバーアゲインのSEIJISANのレビュー・感想・評価

3.0
本家と裁判を起こしてまで製作された「ボンド映画番外編」。目玉はショーン・コネリー=ジェームズ・ボンドがまた見られるという点。裁判の結果は本家の言い分がほとんど認められ、「オリジナルストーリー禁止」、「ボンドのテーマ使用禁止」、「オープニングのガンバレル禁止」などなど禁止のオンパレード。それでも製作された。地味ながら職人芸を見せる監督、アーヴィン・カーシュナー監督らしくプロデューサーと現場との間で争いが絶えない地獄の現場を何とかまとめて完成までこぎ着けたのは見事です。ショーン・コネリーも「本家ならこうする」など経験を語り大混乱の現場を治めて回ったという。ストーリーは極めて「サンダーボール作戦」に似ているものの、「サンダーボール作戦」でボツにした脚本を元に脚色を加えたというので、正確にはリメイク作品にはあたらないというややこしさ。漏れ伝わるハチャメチャな撮影現場で作られたとは思えない程にアクション映画としては普通に面白い作品に仕上がっている。痛いのはショーン・コネリーの年齢。歳をとり過ぎていて役柄に合っていない。完全に「スケベ爺」にしか見えない。然るべき役者が演じたらとても面白いアクション映画になれたポテンシャルを秘めていただけに勿体無い。あ、それでは「コネリー復活」を売り物にする企画自体が頓挫するか(笑)因みに本家は同時期にあててきた作品はロジャー・ムーア=ジェームズボンドの「オクトパシー」。興行収入では本家の圧勝。これで長年「ジェームズ・ボンドをショーン・コネリーにやらせろ!」という一部熱狂的な「コネリー=ボンド」信者の声が消えました。良かった良かった。
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