似太郎

知りすぎていた男の似太郎のレビュー・感想・評価

知りすぎていた男(1956年製作の映画)
4.5
昔TVで観てジェームズ・スチュワートとドリス・デイの夫婦二人組が謎の組織に巻き込まれる展開に終始ハラハラした一作。

ヒッチコックお得意のサスペンス映画でイギリス時代の『暗殺者の家』のセルフリメーク。ドリス・デイが口ずさむ「ケ・セラ・セラ♪」のメロディーが印象的な、多幸感に満ちたハリウッド黄金期を代表する名画。

主演のジェームズ・スチュワートは『素晴らしき哉、人生!』での楽天的なアメリカン・ドリームを体現する男として、元祖トム・ハンクスみたいな存在だと思うのよね。🗽🇺🇸

本作でのヒッチコックや西部劇の名匠アンソニー・マンとのコンビで渋い存在感を発揮した如何にも「50年代的」なマスクである。主演二人が謎を解きながら世界各地を巡るフォーマットは『北北西に進路を取れ』と通底する雰囲気がある。

完成度という点では『北北西〜』には及ばないが、こちらも意表をつくストーリーテリングが秀逸なあまりにも「ハリウッド的」な作風の映画なのである。

やはりこの手の疑心暗鬼モノ、サスペンス映画は観ていて飽きない吸引力があり、知らず知らずのうちに物語の海に迷い込んでしまうのだ…。😵‍💫
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