実直なアニメ。ボールがレーザーになることも、選手が残像を生むこともない。なにかを過剰にすることに敏感でいる、という演出はすごく根気のいるものだったのではないか。その方針で積み重ねたからこそのクライマックスは白眉。研磨ァ！と身震いする。体が動きそうになる。確かに色と匂いと汗が映像から迸るのだ。この「マジでこの世界にいる」感。これぞハイキュー‼︎の凄さ。特に仙台で「全国で飛べ烏野高校！」なんて看板もあるほど。2.5次元ではない形で次元を超えてくる。一方で。回想が挟まれる構成はスラダンもそうだったので気にならない。けれど点が入るたびに盛り上がりが一瞬リセットされてしまう感覚がある。音楽なのか、客席など他者視点にすぐ行くからなのか。
