ShinMakita

アイアンクローのShinMakitaのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.3
☆Filmarks基準スコア:3.5





1970年代末、テキサス州。
元レスラーでテキサスNWAプロモーターのフリッツ・フォン・エリックは、息子たちをプロレスラーとして鍛え上げ、ヘビー級世界王者を出すべくスパルタ教育を実践していた。長男ジャックは幼少時に亡くなっているので、次男ケビン、三男デビッドが張り切ってトレーニングに励んでいる。四男ケリーはアメフトを経て円盤投げ選手となりオリンピックに出ることになっている。しかし五男マイクは音楽好きのおとなしい性格で、レスラーには向かない痩せた体型であった。1980年にアメリカのオリンピック不参加が決まり、失意のケリーがレスラーに転向。その後は地元のタイトルを獲得して乗っているケビン、ルックスとマイクパフォーマンスが受けるデビッド、そしてパワフルなケリーの3人がリングで大活躍し、ついにNWA世界王者の座を賭け大物リック・フレアとの対戦が決まるのだが…



「アイアンクロー」


以下、NWAネタバレ級王者。


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実在のプロレスファミリー、フォン・エリック家を描いたドラマ。かなりの省略があるみたい(六男クリスは存在自体オミット)なので100%の「実話」とは言い難いけど、ケビン目線のフィクション映画として再構築するには許容範囲かも。プロレスに縁がない者にとっては、フォン・エリック家の悲劇を知るには充分な密度を保っています。

プロレスの話というより、正直児童虐待の話というふうに見てしまったな。親のエゴと不寛容・無関心。父は己が正義と信じ、母は信仰至上主義。そりゃ自殺もしたくなるわなぁ…。それでも経済的にも成績も上手くいってる時期は完璧な家族なんですよ。仲が良すぎるくらい幸せで。だからこそ不幸が続く後半が痛々しすぎる。ケビンさん、よく頑張ったよ。子供たちの遊ぶ姿に落涙した気持ち、よくわかります。俺は幸いにも親にレールを敷かれてスパルタ食らった過去はないけど、子供の将来を俺が決めようとは思わないもんな。ここで気になるのは、亀田兄弟。彼らがこの映画を観てどんな感想を抱くのか、凄く気になるね。

ケビン役のザック・エフロン、正直アイドル俳優の1人とナメてたけども、本作での肉体改造ぶりと繊細な表情演技で評価を改めました。リリー・ジェームズも脇ながらとてもよろしいね。ケリー役の俳優も、マッチョなダスティン・ホフマンみたいな風貌で個性が光りました。兄弟たちのアンサンブルが1番の見どころと言えるでしょう。オススメ。
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