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アイアンクローのoのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
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これはよくわからない呪いにかけられた家族の話じゃなくて、「偉大なる父親に」呪われた家族の話だと思う。
私はプロレスのことはよく知らないし、父親のプロレスラーのこともよく知らない。
息子たちは、愛するが故に父親の期待に応えようとする。妻もまた、夫の夢を叶えるべく尽くしている。家族の誰もが父親であり夫であり偉大なるプロレスラーだったフリッツの大きな期待に応えようとしてる。それが見ていて本当につらかった。
マジメなケビン、自分の見せ方やマイクパフォーマンスに優れるデビッド、オリンピアンを目指していたケリー、音楽が好きなロビン。みんな父親の期待に応えようとしていた。
愛するが故にもがき苦しむ家族の姿は、彼らだけでなくアメリカの家族に通じる愛という呪いの残酷さを感じさせるものがある。
『フォックス・キャッチャー』を見たときの気持ちに近いものがあって、あの映画に何かしら思うところのある人に響くと思う。
ケビンを演じたザック・エフロンは素晴らしく、父親を演じたホルト・マッキャラニーの圧倒的存在感もまたなくてはならないものだった。
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