有害な家父長制云々というのはまぁそうなんだけど、親父の『親』として欠落していたものが全て悪い形で噛み合ってしまったゆえの悲劇に見えた。
親父は優秀な教官でありながら、一方で子どもたちからの相談には問題は自分たちで解決しろと逃げてしまう始末だが、これは『(元)レスラーとしての自分』以外には全く自信が無いことの表れでは無いだろうか。
レスラーとしての大成を息子たちに課すのも、プロレス以外で息子たちが幸せになる姿を説くことが出来ない未熟な親の姿に見える。
亡くなった息子たちはみんな先に身体に壊した事が原因で心を壊していく。
体を張る事が仕事のレスラーにも関わらず、その鍛えた身体は心までは守れなかったのは悲しい皮肉だが、そんなツラい時を過ごす息子たちに手を差し伸べられない、何処までも虚しさしかない父親像でもあった
