岡

アイアンクローの岡のレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.7
これはプロレスに付きまとう悲劇の物語。
エリックファミリーに限らず、この同世代のプロレスラーは辛い最期となった選手があまりにも多い。
彼らの直撃世代でもなければ、プロレスファンでもないけど、Wikipedia等で彼らのレスラー人生を知る度、本当に命を懸けた職業なんだなと感じる。
リングの上でもそれ以外でも。
よく、ショーとか八百長とかの比喩で「プロレス」を使うことがあるが、やはりそれは不正確で、より個人的な感覚を言葉にするなら「無数に台本があり、そして結末のない」ショーなのかなと思う。

作中、試合前に話し合うシーンがでてくるところは中々際どいなと思ったりもしたが、一方でケビンとのタイトル戦後のリックフレアーには痺れるものがある。

プロレスってなんなんだろう。エリックファミリーにとっては家族、兄弟の絆そのものであり、それぞれの首を締め付ける縄でもあったと。
少しずつ蝕まれゆくエリック兄弟の姿が痛々しく、悲しい映画。
岡