MK

愚鈍の微笑みのMKのレビュー・感想・評価

愚鈍の微笑み(2023年製作の映画)
1.0
自分的には合わなかったかな。
ありふれた日常と、それとは無関係に、前触れもなくそして乱暴に忍び寄ってくる戦争を対比させながら描いているのだろうなぁとは思ったのだけど…
『トンマッコルへようこそ』っぽいビジュアルに目を惹かれて観たものの、内容も刺さり具合も全く違うものだった。















大好きな彼氏が出来たてでもスマホを見過ぎて夜更かししてよくわからない遅刻ができて、てりやきマックバーガーがメニューにある朝マックが食べられるし、そんなものを奪い合うモチベーションもあって朝から肉焼いて酒飲んで気持ち悪くなってすぐ泣けて、市民が原付で自由に行動できて、肉も売ってるし焼けるしバーベキューの火とやらは心配になるし、変なオシャレもできるし、くそくだらないらしい日常を吐き捨てることもできるし不死身ではなくて無敵でも新聞に載るような死を遂げたくて。

何かのメタファーなのかもしれないけれど…低予算の割になんだか頑張った感のある衣装とか気になるし。

誰かのワンルームマンションに集まった、ジャージ姿のしこたま飲んだ拗らせ系理系女子とかが、外でワンワン警報なったり爆破音してるなか、朝方に侵攻を受けたウクライナのニュース映像とか観ながら無責任かつ無自覚にこんなくだらないこと喋ってたら少しは共感できたのかなぁ。

自分の共感力や想像力や感性がいたらないならそれはそれだと思うけど、低予算ならではの戦争への批判なら『ほかげ』のほうが痛切に響いたし『マリウポリの20日間』を観たばかりなため、なんだか不謹慎にすら思えてしまった…あちらは涙が止まらなかったけど。

キャンプ場だか山間部に配備された部隊編成もなさそうな5人だけの兵士とか、まだ制空権も取られてなさそうな、しかも山間で突然火に焼かれてキャンプ場?でのたうち回るサラリーマン風の人とかサイレンと砲撃音だけの隠喩?とか。

なんかもっと予算内なりに現代ならではの戦争の不安感を煽ってくる描写ってあるんじゃないかな…サイレンと爆発による波動だけって平成どころか昭和の戦争のメタファー止まりな気がした。

と言うわけでなんか不謹慎というか…自分には届かなかった。

「愛してる」犬は走ることもなくトボトボと倍速でどこかに行ってしまったけど、なんか色々自分的に物語ってくれた。

ちょうどてりやきマックバーガーぐらいの費用で観られたから良いかな…高いなとは思えてしまったけど。
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