BOB

片目のジャックのBOBのレビュー・感想・評価

片目のジャック(1960年製作の映画)
3.7
監督・主演マーロン・ブランドの西部劇。

"You may be a one-eyed jack around here, but I've seen the other side of your face."

風変わりな西部劇。"かつての相棒に裏切られた男の復讐劇"という西部劇王道のストーリーではあるが、色々と珍しい要素が多い。

まずは、青い海と白い砂浜が広がるカリフォルニアというロケーション。こんなにも潮の香り、波しぶきの音がする西部劇は初めて観た。そして、汗、土、ホコリ臭くないロマンスドラマ。『大いなる西部』に次ぐ、美しさかもしれない。

最初で最後のマーロン・ブランド監督作品。正直長さは感じたし、決してウェルメイドな作品だとも思わないが、人間味溢れる泣かせるドラマがあった。マーロン・ブランドとカール・マルデンが共演していることと、"正義と悪" "嘘と真"が揺れ動くストーリーから、エリア・カザン味を感じる。

リオの良き相棒から憎き復讐相手に変化する男ダッド役に、『欲望という名の電車』『波止場』『パットン大戦車軍団』などの名バイプレイヤー カール・マルデン。どの作品でも記憶に残るシーンや顔がある。

メキシコパートは、英語とスペイン語の併用。スペイン語台詞には字幕がないので、主人公たちと同じ異国体験ができる。

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