まや

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のまやのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

タランティーノ監督の初監督作品。劇場で観られるということで鑑賞。すごく映画の中に引き込まれてあっという間だった。

本作でも既にタランティーノ監督の作家性、会話劇と音楽と銃の音、血の赤は健在で最初からこんなちゃんと映画として面白いなんてやっぱりすごい人だなと思った。

まず、最初のオープニング映像。とにかく最高。サングラス、黒スーツを着て髪型をバッチリ決めた男性の集団がゆっくり歩きがながらタイトルが流れてくる。音楽と相まって鳥肌立った。これだけでこの作品見て良かったという気持ちにさせられるし、ここで一気に映画の世界へと引き込まれ、現実とおさらばできるように感じた。

物語としてはダイヤの強盗を計画した6人組。彼らはコードネームとしてホワイト、ピンク、オレンジ、ブラウン、ブルー、ブロンドと呼び合う。しかし、それは失敗してしまう。この失敗している最中から物語は始まる。失敗は裏切り者がいたためとし、誰が裏切り者か、この6人はどうなったのかを追っていく。

まず物語の構成がすごく面白い。強盗をするという一つのテーマで、主にアジトの倉庫が舞台設定となる。ここに徐々にメンバーが帰ってきて犯人探しをしていく。時間軸としてはこの強盗の最初から展開していくのではなく、途中から映し、徐々にその全貌と生きているメンバーの過去についてが明かされていく。そのため、この事件はどう失敗したのかと誰が裏切ったのかがわからない状態で進んでいくのだ。だからずっと展開が読めなくて面白い。

また、後半、犯人が空かされてからは、どうやって彼らの中に入っていったのかは勿論、この集団の中でどう立ち回るのかもハラハラしながら見られるため、違う視点での楽しみ方ができるのだ。

そして、物語の最後、この計画のボスから、犯人が明かされてしまう。ここからがすごい。ボスと息子とホワイト、彼らが互いに銃を向け打ち合う。その後のホワイトとオレンジとの会話、ホワイトの唸るような声。銃撃の音。ここで幕を閉じる。最後のこのシーンはお互いに敵同士だったのにそこが曖昧になり、互いの人生の局面を迎えている人間同士のやり取りでとても見応えのあるシーンだった。

舞台設定も限られているなか、登場人物のキャラクター性と物語構造、会話劇で魅せている感じだった。エンタメ映画の良さを再認識させられる作品でやっぱり映画ってとても良いなと思える作品だった。
まや

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