ふじこ

ドライランドのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

ドライランド(2015年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

水泳に打ち込む少女ミア。地区大会が近づく中、母親が迎えに来ない事を不審に思いながら帰宅すると、ガレージで排気ガスを吸って自殺しようとしている母を発見して病院へ。
一命を取り留めた母は泥のように生活を続けるも、何度も会話を遮られながら来て欲しいと告げた地区大会。
入口で忘れ物をしたから、と車に引き返す母は競技が始まっても戻って来ない。
途中で泳ぐのを止めて車に向かい、車を殴りつけると驚いた母親が出てくる。
もう泳いできたわ、終わったの と告げる娘に謝罪する母だったが、自分の事ばっかり!自殺したらどうなると思った?と核心を突く。
叔母さんと暮らして貰う予定だった と言う母に、少しでも生きてて良かったって思う?と問う。
生きているのが辛いの と言って車に戻ってエンジンをかける母に、悲しそうな顔で近付いてドアを開けて抱き締め、母もまた泣きながらごめんなさい、本当にごめんなさいと抱き締め返す。
ミアが泳ぎ、コーチがガッツポーズをし、泳ぎ終わった彼女が水中から天井を見上げ、何処かへ泳ぎ去るシーンで終わり。


泣いてしまった。まだティーンであるミアが、恐らく父親のいないこの家庭で母親を失う恐怖を思ったらどうしようもなかった。
母親がなんで死にたいのかは分からないのだけれども、まだ少女のミアが精一杯努力して気を使って母を労る姿や、それでも裏切られて大事な大会から目を逸らして死にたがる母親に気持ちをぶつけるシーンとか悲しすぎるよ…。
母親は大人なんだからさっさと自主的に病院行け!と思う。
子供を持つって事は、人一人の人生を背負うって事なんじゃないの?背負ったからには独り立ち出来るまではちゃんとしろよと強く思う。
別に死にたい気持ちは否定しないけれど、子供がいたら別だよ。浮気して出ていくのもそうだけど、子供からしたら自分は大好きな親を引き止める絆ですらなかったんだ って否定感は半端ないと思う。幸いにもそんな経験はないけれど、もし母親が自分よりも大事なものとして自死を選んだとしたら と思うと居た堪れない。浮気とどっちが って事はこの際置いておいて。
ただただ、ミアが可哀想で、彼女がどうするのか、どうなるのか心配で泣いてしまった。何一つ悪くないのに。

映像作品としては、水泳をやっている設定の通りきちんと肩幅のしっかりした俳優が揃っていて良かった。
やってますね、って感じで。
ふじこ

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