SHOCKER戦闘員の映画日和

仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキングのSHOCKER戦闘員の映画日和のレビュー・感想・評価

4.6
2024.03.14
気がつけばすっかり3月という事で、
パラダイス・リゲインドも鑑賞してまだレビューしてない事もあり、
円盤リリースのタイミングでゆっくりと感想は書こうと腹を決めて、
比較的鑑賞ホヤホヤの今作からまた少しずつ印象に残った作品から記録に残していきたいと思います。

仮面ライダーギーツも一年通して本当に楽しませて頂いた仮面ライダー作品という事もあり、すっかり毎年恒例となったVシネマも御建材で安心しました。

劇場タイトルは仮面ライダーギーツとなっていますが、厳密にと言うか?
もうほぼ仮面ライダーバッファの物語として十分に成立する物語でした。

TVシリーズでは主人公の英寿に対してのライバルキャラとして登場しており、
非常に分かりやすいキャラ付けの
気に入らないヤツはぶっ潰す!精神のもと生き残りを掛けたデスゲームに参戦する。と言う一見するとヴィランっぽい立ち位置だけどそこは平成ライダーから紡がれてきた人物像の面影もあり、
単に悪ぶって落ち着くだけのキャラでなく、力を得る事の代償も払った上で時に冷静に世界の本質を見抜く鋭さも兼ね備えた青年だった事もあり、
そのギャップから来るTVシリーズ最終回の落とし所としても納得のいく着地だったと思います。
あれから何やかんやありまして...というのが本作Vシネマのお話しですね。

ストーリーはまぁ普通っちゃ普通でしたが当来の仮面ライダーギーツという物語に置いて基盤となるDG-デザイアグランプリ-のようなデスゲーム形式ではないもののTV本編の後日談として人間と怪人の共存は成立するのか?
という部分にフォーカスを当てて人間ってやっぱり意地汚い生き物ねぇ...な部分も押さえつつ、
それでも生きとし生けるものの可能性を信じ続ける仮面ライダーバッファこと、道長の成長っぷりは感極まるものがありましたね。
今作のライダーは容姿や寿命。何から何まで自主設定の出来てしまう環境化の下で生きる未来人も介入するため、

それぞれの快感を求めて現代へサポーターという形でゲームに潜り込んでくるという設定も踏まえて各ライダー達との絡みも含めて(後半は若干駆け足だったけど)今回のVシネマでも60分という限られた尺の中では上手いこと引き立っていたと感じました。

ベロバッファの馴れ初めまで語り出すと流石に長くなるので、ここまで読んで気になった方は是非、TVシリーズからチェックして頂けると一ファンとしても嬉しい限りです。

今作の監督は特撮シリーズに触れた事のある方なら名前くらいは知っているであろう坂本浩一監督という事で、
近年の東映ヒーローシリーズでもお見掛けする機会も多く、
大変いつもお世話になっております。
というぐらい本当にお世話になりまくっている監督さんなので、
ヒーローを支えるヒーローとして今回も躍動感と爽快感のある映像表現をしっかりと感じ取らせて頂きました!

役者陣のお芝居も含めて生身アクションでのシーンも多く、肉体で魅せるバトルシーンの強みも余すこと無くしっかりと生きていました。
特に男性陣の中で唯一、女性ライダーとなる祢音ちゃんこと星乃夢奈さんの小柄ながらも監督のアクション指導にどうにか喰らいつこうする姿勢が垣間見れたのも良かったです。
※約1名とんでもなく動けるたぬきライダーさんが混じっているので、そこも注目ポイントかな。

総評としてスピンオフという立ち位置ながらも強化フォームの存在感もあり、
非常に豪勢な作風になっていたと感じました。
どうしてもTVシリーズありきの内容にはなりますが、異人種同士の差別や共存といった難しいテーマも扱っていたりするので、また一味違うギーツの物語を是非劇場で堪能して下されば幸いです。