緑

NO選挙,NO LIFEの緑のネタバレレビュー・内容・結末

NO選挙,NO LIFE(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

自分は東日本大震災後に
連日行われていた東電記者会見で
初めて畠山理仁を知り、
全仕事を追っている訳ではないが、
畠山の公正さにリスペクトを持っている。

沖縄県知事選で
サキマでなければという支援者が
いなそうであることへの心配や、
選挙が終わったあとの
サキマ陣営の閉じた選挙事務所で
ごみ袋に丸めて捨てられた幟を見て
「悲しくないですか あんな捨てられ方」
という目線のやさしさ、
衆院選で落選した泡沫候補者が
バッティングセンターで
170kmのボールを打つ姿を眺める
畠山の物理的な目線に感動。
最後は涙がほろり。
「悲しくないですか〜」は
ドラマ「いちばんすきな話」で
出てきそうな言葉だった。
これが素で出る畠山、すごい。

稼ぎを上回る支出で
今も知り合いの別荘で木を切って
薪にするバイトをしているそうだ。
知り合いさんはきっと
支援の気持ちもあるんじゃなかろうか。

畠山家族への取材もあり。
この映画の前情報を知るまで
勝手に独身だと思い込んでた。
文句言いながらも
家族仲の良さが感じられたし、
この嫁あっての畠山であることを
強く感じたし、
長男の客観目線は好ましかったし、
次男の「(ふだんの畠山に)
いいイメージない」には笑った。

トークショーは
前田監督×畠山理仁×原一男監督による
「NO,MONEY,NO,LIFE?」。
「?」はないとストレートすぎるからと
原監督が付けた模様。
「政治への絶望」について畠山に問い、
「絶望感はあるけど絶望はしてない」と
返される原一男。
「本人にすらわかっていないもの
(政治への絶望とか)を
映し出すのが監督じゃないか」と
前田監督に問いかけ。
監督は後になって絶望を感じたが
撮影当時は感じなことを反省気味に話し、
また本作の構成に悩んだことなどを発言。

「(現象を丁寧に描くのは)
テレビの人の欠点。
人間を描いてこその映画」
実に原監督らしい!

原監督曰く、
ミニシアターでかかるドキュメンタリーは
テレビ出身の人が作っているのは
増えているとのこと。
前田監督が言い返し、
原監督は「現にこれは映画じゃないもん、
テレビだもん」と。
とにかく
「テレビの人のドキュメンタリーは、
ゼロとは言わないけど、
登場人物の葛藤をテレビは描けてない」と。

「教育と愛国」「裸のムラ」にも
不満たっぷり語る語る。
「教育と愛国」をよかったと感じた
自分の感受性を
再検証しなきゃかもしれぬ。

「もっと過激にいかなきゃ」との発言に
原監督がサインと共に書く
「もっと過激に」を思い出した。

テロリストになりたい衝動を抑えて
映画を撮っているという原監督、
畠山に「テロリストになりたいと
思ったことない?」と訊き、
「あー……あります!」と畠山。
やっぱりそれくらいの熱量がないと
持ち出しでの仕事を長年続けることは
できんのだろうなぁ。
尚、今は体が動かないから
原監督のテロリスト願望はない模様で、
チョコザップに通っているとか。

原監督のお金事情の話は僅少。
お金がないとプロデューサーやってる
彼女が生活費くれるという話くらい。
お金の話はそのうち
イベントでしたいとのこと。
期待しかない。

プチ鹿島とダースレイダーは
畠山理仁チルドレンで、
畠山は原一男チルドレン。
緑