親方

Saltburnの親方のレビュー・感想・評価

Saltburn(2023年製作の映画)
3.6
プロミシングヤングウーマンの監督なので風刺の効いた現代を切る作品かと思いきや、実態は監督が考えた「怪物」のお披露目会。

ヒエラルキーの話やキャラは魅力的な怪物を描くために存在して、話の筋も怪物の絵作りのために、そうはならんやろって方向に何度も展開する。このため何に期待するかで大きく評価が変わる。

実際、怪物の描き方としては素晴らしかった。ちゃんと、こいつならこんなことしてくれそうだって想像を掻き立てて、その期待に応えてくれる。観ていて気持ちいいくらいに気持ち悪い。墓場でのシーンはそいつならそれやるよな!って強く頷いた。

ただ話は破綻してるし、どのキャラも監督が動かしたい方向に行動するので感情移入できない。最初30分はヒエラルキーの問題を丁寧に描いて、この監督がその問題をどう切るのか期待させてしまう内容のため、それが私には少し悪い意味で期待を裏切られることになった。
これが良い意味で裏切られたと思える人にとって高評価なのは頷ける
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