えいがたろう

Saltburnのえいがたろうのネタバレレビュー・内容・結末

Saltburn(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【一回目】
照明が好きで、ワンカットずつ見返したくなった。
礼服でたべる話のとき、FelixとOliver
に当たる日の光の移り変わりが、『Eyes Wide Shut』で、BillとNickがバーで話してるとき、卓上ランプでBillの顔が急に怪しく照らされるシーンを思い出させた。
アレとか部屋の壁紙みて、エメラルド•フェネルはキューブリック好きなんだろうな、と勝手に思った。

撮影監督は、Linus Sandgren。あまりしっくりこなかったDamien Chazelleの映画もこの人が撮影監督している。

【二回目】
撮影と照明が好きで再度みかえす。
エンタメとして楽しく観賞しました。

ただストーリーは、実家は貧困な訳でもない、あの両親が嫌だとしても、あそこまで拒絶反応を示し、特権への欲望を抱くに至った入学前か幼少期か何かの瞬間がごっそりないのが気になって…。(それがフェリックスの存在だったってことなんでしょうか)

着想を得たというシャイニングの、(2001年のモノリスにあたかも触れたかのように)ジャックが館の欲望に触れさせられ狂わされていくようなbefore afterがあるわけでもなく

映画の中のオリバーは結局最初から最後まで狂ってるから、本当に描きたいことを潜ませるエンタメパッケージとして、あのトリックがあったとして、本来の描きたかったことは?については、モヤっとしてしまった。

特権への欲望ならば、ロザムンド・パイク、アーチー・マデクウェに限らず、もっと下賎な者を見下すような決定的なシーンがあってもいいのかな、と。(描かれなかったオリバーの周りと馴染めなかった20年弱、がそれにあたるのでしょうか)

最後の語りで、入学前にフェリックスに目を奪われ(モノリスに触れ)、調べてみて、今までの積年の欲望が膨れ上がり、きらびやかなもの全てが自分の物だと自然と思い込むほどリンクして、何かに憑かれたように入念に計画したその狂気を、(猿が頭蓋骨を叩き割るように)話して欲しかった。話したら説明的になってしまうんだけれども。(それはあのトリックで回収されたことになるんでしょうか)

そして、誰よりも調べ読んだうえで酷評してる人の記事を読んで、冷静になりました。まぁまぁ、そんないいなさんなよ。それだけ話題になって注目されてるってことでしょ、俺は楽しかったよ。映像が好きなばかりに、勝手に深読みしすぎて、教授室のオリバー化しそうになってるのでこの辺でストップ。