『事実は小説よりも奇なり』なスパイ映画にしてサンクスギビング・ディナーとクリスマス・ディナーとおせちを一気に盛ったような娯楽映画の王道シリーズ。なかなか国内旅行もままならない今日このごろ、改めて観るとたいへん風光明媚な観光映画であった。日本ロケした作品としてはあまりにも過小評価されているんじゃないかこの作品。いつも段差があって観やすい前方座席を取るが、某大好きな作品上映中にノーマスクで始終鼻水すすりっぱなしの馬鹿が複数名いやがって、『鼻水もコロナちゃんに感染した場合の症状なんだが!』と頭にきたのと、「サンダーバード」みたいな宇宙船や基地のシーン全景やリトル・ネリーを俯瞰したかったのとで後方中央。
ロアルド・ダールがけっこう原作をいじくったにしては当時の日本に対する認識や描写は、日本人ときたら兵士かチャンバラか格闘技かみたいな最近のお子ちゃま向け映画よりよほどモダンで英国諜報部員が頼る日本だけあるし（フェリックス・ライターなんてCIAのくせに鮫に齧られたりカジノでオタオタしたりダメダメじゃん!）、日本人女性だって車を絶妙のドライブテクで飛ばしたり、あれだけの布地もといビキニでボカスカドンパチの中を駆け巡って大活躍!ブロフェルドは幼稚園児でも悪い奴とわかるし、丸の内線だって何の文句があんの!?という感じ。この後出てきた日本ロケありで優れた作品は「ブラック・レイン」しか思い浮かばない。もう一度観たいな〜。
若林映子さんのインタビューはこちら（全3回）
https://screenonline.jp/_ct/17658820
