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007/ ロシアより愛をこめて 4Kレストアのhrmのレビュー・感想・評価

3.2
子供の頃、テレビ映画の予告で何度も観ていたピアーズ・ブロスナン期007の、(当時の)石田純一感がとても苦手で、長らく食わず嫌いしていたシリーズ。
やっと初めて観たのは、ダニエル・クレイグ期3作目「007スカイフォール」(大好き!)。
スクリーンで観られるならと今回足を運んでみたのが、初代ボンド、ショーン・コネリー2作目の「007 ロシアより愛をこめて」。

60年代のファッションや町並みがとても好きだし、今見るとアナログに見えるギミックもとても楽しい。
だがしかし、特に前半、女性キャラクターたちの扱いがなかなかひどくて最後まで観られるか不安に。
「紅の豚」ジーナさんの「女を桟橋の金具くらいにしか考えてないんでしょう」の台詞より、よっぽどひどかった。
中盤辺りから馴れと描写の減りで大丈夫になってきて、最後まで観ることができました。

50〜60年代の映画は好きだけど、普段好んで観ているものは大概女性俳優主演もの。
男性主演だとこういう落とし穴があることもあるのか…と学びました。
最近では、小津作品に関する記述で「女性の扱いが酷い」とのコメントを見かけることもあって、時代の色なんだなぁとは思いつつも、そういう描写を見るとやはり胸の辺りがちくちくする。
ここでスーさんの「世界はあなたを傷つけないようにはできていない」のお言葉を思い出して、少し救われたのでした。

007シリーズのレトロスペクティブも、ダニエル・クレイグ期の作品以外はスルーしようと決めた日。
合うもの、合わないものを取捨選択するのも、心の平和のためにとても大事なこと。

最後に、軽めの山場シーンで使われていた劇盤がエヴァの出撃シーンで使われている楽曲にとてもよく似ていて。
終わって調べたら、言及されることが多い曲とのことで少しすっきり。
元ネタはこれなのか、いつか教えて!庵野秀明。
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