hrmさんの映画レビュー・感想・評価

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

映画評を聞いて(聞き流して)はいたものの、内容は全く忘れておりまして。
単純にミステリーのイメージで観始めたら、ごりごりのヒューマンドラマ、法廷劇。
アカデミー賞ノミネートの印象が強かったけどカンヌも
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異人たち(2023年製作の映画)

4.0

春休み前に飽きるほど流されていたペットショップボーイズとの邂逅。
この映画で伏線回収されたなら悪くない。

休前夜にソファでくっついてジャンクフード食べながらだらだらするの、私もやりたい。
アダムが声
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.9

タイトルの「PAST LIVES」は「前世」という意味だそうです。
ノラ一家の海外移住により離れ離れになった、幼馴染のノラとヘソン。
ふたりの心情や生活の変化を、12年後、24年後(現在)を舞台として
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.5

プリシラが14歳でエルヴィス・プレスリーと出会い、28歳で別離を選ぶまでのおはなし。
ソフィア・コッポラのガールズムービーカラーたっぷりに描かれています。
私みたいな60年代ファッション好きにはたまら
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貴公子(2023年製作の映画)

3.9



「THE WITCH / 魔女 -増殖-」の監督、主演のキム・ソンホは実力派の舞台出身俳優という部分に惹かれて観ました。
韓国映画の知識はまだあまりないため、映画自体の情報はあまり入れずに監督や主
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0



「プロレスかぁ…(三沢が生きていた頃、女子も男子もテレビで見ていたものの、今は全く離れてる)」→「A24なのか!」→「実話ベースの、毒親の呪い系ヒューマン!観やすっ🫡」という経緯があり、本日はこち
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.8

1968年アメリカ。
婚姻関係にある男女間の避妊さえ認められていなかった時代に、望まない妊娠をした富裕層の主婦ジョイ。
医師たちが認めた特例を除いて中絶さえ許されない中で、違法だが安全な中絶手術を提供
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コットンテール(2022年製作の映画)

3.6

苦しさの中にある幸福なシーンを目にしたら、「ぐるりのこと」のふたりの未来を見られたみたいで嬉しくなった。
二度目をなかなか観られないけど、とても好きな映画です。
あれを映画館に観に行った23歳の私を褒
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

公開初日がおやすみでIMAX上映もあるのなら、観に行くに決まってる。
ということで、朝一で一仕事終えてから「オッペンハイマー」。

事前にいろんな声を目に耳にしていたけれど、私は肯定的な感情を抱いた映
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下女(1960年製作の映画)

3.8

こつこつ読んでいる韓国映画本でたびたび見かける「下女」。

ポン・ジュノが影響を受けたというのがすごくよく解るし、60'sファッションがめちゃくちゃ素敵で今の韓国語より耳障りがやわらかい。
なんとなく
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.9

日常にふと起きるちょっとしたアクシデントから始まる、ささやかなロードムービー。
発端の「ちょっとした」感じは、たとえば車が急に動かなくなったとき。1時間寝坊してしまったとき。
壮大であれささやかであれ
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

3.5

ゴダールの作品は初期作数本と、前作「イメージの本」を観た程度。
彼の思想なんかにも全く詳しくはない。
でも、同じ時代を生きたこの人が「映画」として遺した作品ならばスクリーンで観ておくべきだと思った。
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

3.9

以前何度か観たことのある「テルマ&ルイーズ」、今観たら感じ方が随分違った。
こんなにフェミニズム映画だとは思っていなくて、ここ数年で自分が吸収したものの偉力を感じた。
ハーヴェイ・カイテル演じる刑事の
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ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

3.5

シャルロット・ゲンズブールによる、「母への手紙」的ドキュメンタリー。

かなり私的で、会話の補足のようなモノローグも入らない。
観ながら知ったことも幾つか。
ジェーン・バーキンの1人目の夫との子どもが
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.9

久しぶりのピカレスク。
エンターテイメントに振り切っていて、すっごく楽しかった!
詳細を語ると確実にネタバレしてしまうので割愛するけれど、ロケ地が日常的に目にしている場所ばかりなのでおもしろさが倍増し
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.9

指揮者、作曲家、ピアニストとして活躍したレナード・バーンスタインの半生を描いた伝記映画、とてもおもしろかった!
監督、脚本、主演ブラッドリー・クーパー、その妻役はキャリー・マリガン、娘役にマヤ・ホーク
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.0

「ジョジョ・ラビット」で好きになった今作の監督は、ニュージーランド出身で特徴的なお名前のタイカ・ワイティティ。

スケジュール的に映画館で観るのは難しいと思っていたら、ぽんと時間ができて観られてよかっ
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犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.8

最近家で動画をほとんど観られていないため、シリーズ3作目だそうですが事前予習は無し。
漫画的なキャラクター設定(へんなTシャツも!だいすき!)に、幼少期より慣れ親しんだコメディタッチの刑事ドラマ(主に
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燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)

3.9

ドキュメンタリーで93分って妥当な尺だと思うけど、めちゃくちゃ短く感じた。
もっと観たかった!

カースト外として差別される「ダリト」の女性たちが立ち上げた新聞社「カパル・ラハリヤ(日本語にすると、ニ
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ほかげ(2023年製作の映画)

3.8

数日前、目の前で口から発された「復興」という言葉に違和感を覚えた。
被災された方々にとっては、壊れた街が再建されても心の傷が癒えるわけではない。
この映画を観て、戦争に対して似たようなことを思った。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

観ながら思い出したのは、デヴィッド・リンチ、ダリオ・アルジェント、「ゲーム」と「トゥルーマン・ショー」。
全てが悪夢なのか仕組まれた出来事なのか考えながら、ひたすらに悪いことが起こり続ける上に主体性の
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

PMS(月経前症候群)を抱える藤沢さんと、パニック障害を抱える山添くん。
ふたりの物語はとても穏やかでやさしく、あたたかかった。
最初、「恋愛ものでしょ?」と誤解してスルーしようとしていたけれど、SN
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.5

数年前に1985年版を観て、併せて原作も読了済み。
あの穏やかで静かで苦しい雰囲気の物語が好きなので、今作を観るか少し迷った。
そしてやっぱり、うーん…と思う部分がたくさんあった。

それぞれの素材は
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.0

20センチュリー・ウーマンで好きになったトーキング・ヘッズの、1983年の伝説のライブ映像4Kレストア版。
手掛けたのはA24。

このひとたちに詳しいわけではないけど、IMAXを観に行ってすっごくよ
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遠いところ(2022年製作の映画)

4.0

ずっと観たかったのだけど128分と長めな上に重たそうな内容で、仕事終わりにいつ観ようかタイミングを伺っていたところで、職場での監督の舞台挨拶付き上映のお話が舞い込んだ。

Podcastで聴いた、肯定
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さよなら ほやマン(2023年製作の映画)

3.8

シネコンの大スクリーンで掛かるような、時間や予算が潤沢に使える大御所監督の作品ではないから、荒削りさや突っ込み所はある。
その分を差し引いたとしても、総合評価は圧倒的に「賛」だった。

重めの映画を好
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

3.9

1992年公開、タランティーノの長編初監督作品。
撮影当時の彼は28歳。

ずいぶん前に一度観たきりで、内容に関する記憶はほとんどどこかへ行ってしまっていた。
スクリーンで改めて観ると、1stアルバム
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

「ロブスター」で好きになったヨルゴス・ランティモスの最新作。
あまり多作な監督でなく、日本公開作品は今作で5作目(日本未公開作品は2作。観たい!)。
この本数だから、興味の対象が幾つもある私でも全て観
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.5

予備知識ゼロで観られた幸運。

大学時代からMVやCMなどの映像制作を行なっている下津優太監督の商業映画/長編デビュー作。
2021年にKADOKAWA主催の「日本ホラー映画大賞」で同タイトルの約11
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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

3.7

終始、すっごく楽しかった!
働く場としての映画制作には興味がないのだけど、観客として舞台裏には勿論興味津々。
月刊の映画雑誌を全く通っておらず、タランティーノ本人について深掘りをしていない私には全てが
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.8

「こんな下積みをして紆余曲折あって有名になりました」みたいなありがちで一般受けしやすいストーリーじゃなく、ひたすらに苦しい「伝説のハガキ職人」ツチヤタカユキの私小説の映画化作品。
台詞にもあった「地獄
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