突如として東京上空に現れた巨大飛行物体。しかしそんな異常事態も、3年が経って日常となっていった。
高校生の門出と凰蘭は、この非日常が日常になった東京で平凡な生活を送っていたが、ある日仲良しのクラスメイトに悲劇が・・・。
浅野いにお原作のSF漫画、通称「デデデデ」のアニメ映画化。
浅野いにおの作業風景を、浦沢直樹の「慢勉」で観たことがありますが（「デデデデ」の作業風景でした）、デジタル作画における一コマ一コマの情報量、描写、質感というのはハイレベルで、また思想的なところでの表現も考えると、これをアニメ化するというのは、なかなかに難しいのではと思っていましたが、私的には原作とは違う構成にすることで、アニメ版としてのインパクトは強く出ていたのではないかと感じました。
原作連載当時、 3.11.震災後の原発や安保の事でザワザワしていた界隈と、そんな中で非日常を日常に取り込んで暮らしていたそれ以外の多数の人たちの空気感があって、原作におけるそういった部分の可視化という意図を、当時は感じやすかったわけですけども、今それを改めてアニメ化して表現するのは恐らく難しかったのだろうと推測できる演出でした。
とは言え世界観の描写は、身近に感じられるものとしてきっちり成立していたし、非日常が日常へと溶け込む様、そこで展開されるドラマ、そして風刺要素と、私的には十分に納得できましたね。
また門出を演じた幾田りら、凰蘭を演じたあの、この2人のキャスティングが絶妙で、アニメ化した意義がそこにあると言っても過言ではないかもしれません。
後章は2024年4月19日から5月24日に公開日が変更になりましたが、より難しくなる物語の締め括りをどうやって表現してくれるのか？
首を長くして待ちます。
それとTARAKOさん、R.I.P.
