サーフ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のサーフのレビュー・感想・評価

4.2
見に行こうか、スルーしようか迷っていたけど見に行ってマジで良かった。

3年前の8月31日、東京の上空に突如として現れた謎の宇宙船。
地球侵略によって人類は存続の危機に立たされる…と思われたが3年経っても上空で宇宙船は空中停止ししたままで時折探査機を地上に出すだけ。
地上の大半の人は恋に青春にと3年前とあまり変わらない日常を送っていた。「本当の人類の危機」が迫っているとも知らずに…と言うのが大まかなストーリー。

前半と後半でガラッと印象が変わる作品で、前半は上空に宇宙船が空中停止しているという異様な環境だけど、恋に青春にと変わらない主人公達の日常、そして特殊な環境によって少しづつ変容していく社会が描かれる。
「非日常の中の日常」と「地球外生命体と人間の関係性」を描いた映画なのかなと思っていた後半の雰囲気の変わり様にビックリした。
後半は時代を遡り主人公達の小学生時代の事が描かれる。ジュブナイルものの友情物語…と思えば物語はシリアスで陰鬱、人間のエゴが剥き出しに描かれるストーリーへと変わっていく。

前半、後半共に共通して「人間の愚かさ」が描かれるのかなと感じた。
前半は「突如として現れた宇宙船」という危機的状況に慣れ順応していく人間達の「アクションを起こさないという愚かさ」で後半が自らの正義に基づいて「アクションを起こすという愚かさ」。
2つの愚かさが交わってしまう事でもう後戻りできない所まで人類が足を踏み入れてしまうという末路。これは後編が楽しみ過ぎる。

前半の主人公達と後半の主人公達がどう結びついていくのかという楽しみも有るし、前編の最後でこの物語の結末は明かされるけどどういう道筋を辿ってそこに行き着くのかというのも楽しみ。

原作は完全に未読で臨んだので今、俺は「後編が公開されるのを待つ」か「kindleで原作を買って一気読みする」の二択で悩んでる。続きがめちゃくちゃ気になる…!

主人公の彼女たちを演じた幾田りらとあのちゃん、2人とも凄くキャラと声があっててはまり役。特にあのちゃんの声は個性的だからどうなるんだろうと思ったけどキャラがしっかり息づいている事を感じさせるものだった。
サーフ

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