あるふぃーど

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のあるふぃーどのレビュー・感想・評価

2.8
原作は序盤までしか読んでなかったから気にならなかったんだけど、映画用に恐らく再構成されて前半に持ってこられたであろう過去編の、社会正義への雑な解像度からくる冷笑ノリがキツく、本筋の物語に対してかなりノイズだった。
門出ちゃんがああなるまでの過程の描写があまりにも無いもんだから、この物語を書いた人は、汚職政治家や性犯罪タレントに対するいわゆる"キャンセルカルチャー"的なものや、デモ活動を行うタイプの人達が気に食わないんだなということしか伝わってこない。
気に食わない対象を極端に抽象化した藁人形でしかなくて、何が正しいのか(どうありたいのか)を語らないまま描写される"行き過ぎた正義"って最早クリシェになっててものすごく陳腐にみえる。

おやすみプンプンとかで描いてたことを踏まえると冷笑ノリのまま終わる物語ではないと思いたいんだけど、前半だけだとバランスが悪いなぁという感想。

原作で印象に残ってた「知ってるよ!」と叫ぶ一連のシーンが、尺の問題か間が詰まっている上に、劇伴が過剰で個人的に好みじゃなかったのもちょっと悲しい。