Gierck

サブマリン爆撃隊のGierckのレビュー・感想・評価

サブマリン爆撃隊(1938年製作の映画)
4.5
ジョン・フォード監督、アーサー・C・ミラー撮影。
「四人の復讐」に続き、リチャード・グリーンを主演に迎えた作品で、わき役陣はいつものフォードファミリーが固めている。
 フォークナーが脚本に参加しているとはいえ、フォード特有の大雑把な展開のコメディ的な作品となっており、一方、夜間での駆潜艇の潜行の息をひそめた描写などもあり、フォードの振り幅の大きさも堪能できる作品。
 敵基地に小型の駆潜艇で乗り込んでいくのもそうであるが、通信士がナンシー・ケリーの船に勝手に乗り込んでアクロバティックに駆け回るシーンでは、黒人の使い方を含めて、敵の陣地で暴れまわるショットを好む、実にフォード的なシーンが面白い。
 後に降格後にSC599号の艦長となるジョン・C・ドレイクがリチャード・グリーンにライターを貸したシーンが、ラストではライターをプレゼントするように、ちょっとした小道具の使い方も当時のハリウッドでは定番の表現ではあるが、深みを与えている。
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