四畳半

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章の四畳半のレビュー・感想・評価

4.3
劇場で鑑賞

前章以上に怒涛の展開の連続でめちゃくちゃ疲れたけど、物語もテーマもアニメーションも最後まで凄く丁寧に作られた作品なのは間違いなかった。
様々なアニメや漫画のコラージュの様なルックで極めてリアリスティックな世界観が唯一無二。

後章の詰め込み過ぎ感は確かにあるけど前後編という制約の中なら仕方ないよ。
それよりもアニメーションのクオリティを一度も崩す事なく描き切った事のが驚異的。
とりあえず原作がどうなってるのか凄く気になるから原作読んでからもう一度観る。

真に特別な人なんて存在しなくて、この世界には凡人しかいないというバランスを最後まで徹底していて凄くフェアな作品だと思った。
故に何が起ころうともどうにもならないし、凡人は受け入れるしかない。
その上であなたは誰を守りたいのかを問う。


『PLAY!〜勝つとか負けるとかはどーでもよくて〜』に感触としては近いものを感じる。
この世界がこれから良くなることは無いだろうって達観というか諦めにも近い、冷笑主義一歩手前でそれでも“今ここ”を全力で生きる感じ。
なんかやっぱり寂しいけどね。

正直、現実では未来に希望なんて無いからこそ、特別なヒーロー的な人が世界を救う話にこそ嘘っぽさを感じてしまうようになってるのかな。
ただ展開を現実に寄せれば寄せるほどドラマチックにはならないというジレンマがね。
四畳半

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