サーフ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章のサーフのレビュー・感想・評価

3.6
浅野いにお原作「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」劇場版アニメーションの後編。

大学に合格し門出と凰蘭は揃って同じ学校に通う事に。大学で門出と凰蘭達はオカルト同好会に入部し大学生活をスタートさせる。
ある日、オカルト同好会の部長の自室で謎の青年・大葉と遭遇する。門出と凰蘭達は人並みに恋したり、同好会の活動として海へ出かけたり何気ない日常を過ごしていたが世界終局は確実に目の前にまで迫って来ていた…と言うのが大まかなストーリー。

前章の前半の様に人類の危機がそこまで迫り来ようとも平凡な日常を過ごしていくという状況の異常さはそのままで門出と凰蘭が後章ではガッツリ恋に忙しくなるので「日常」の描き方は後章の方がより色濃く出てる。
前章で解答が出されなかった謎もしっかり答え合わせがされるので一応はスッキリする。

前章では「人間の愚かさ」が強い作品で、後章では「己の行動にどう責任をとるか」が鍵となってる作品だと感じた。
だからこそ、でんぱ組の曲が流れるあのシーンで物語を終わらせても良かったんじゃね?と思ってしまう。
最高の友人と出会い、恋もして、それでいて責任も取らないのはなんか違うよな気がして面白い映画だったけどモヤモヤも強く残った。

「自分と周りの大切な人以外生きてようが死んでようがどうだっていい」というのは主人公の強い絶対的な愛を感じるが、同時期に公開されている「関心領域」の主人公一家と門出と凰蘭の考え方に大きな違いは無く「救いのある結末」とは到底思えなかった。

でんぱ組の曲が流れながら素晴らしいアニメーションで展開される一連のシーンはエヴァンゲリオンを彷彿とさせるシーンで最悪のレクイエムとして完璧。
異質な状況下で育まれる青春という独特な世界観は前章に引き続き良かったし、凰蘭の兄貴がギャグ要素としても胸熱要素としても良い働きしてて後章の登場人物の中でも一番良かったかも。
サーフ

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