いち麦

恋するプリテンダーのいち麦のレビュー・感想・評価

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)
4.0
どうして海外では結婚式前に家族やら親友やら集ってリゾート・ステイしながらワイワイみんなで馬鹿騒ぎを楽しむゆとりがあるんだろうね…と今作でも思う(笑)。有りがちな展開に最後は後悔した一方が駆けていく処まで王道だけれど笑いのツボも結構合って大いに笑った。この映画で恋人同士を演じる2人、一方は元カノの気を引くためで、もう一方は元カレの気を断ち切るためという目的なので、付かず離れずの微妙な距離感を装うことが要求される。この高難度な設定がなかなかユニークで恋愛ステップが進んでいくもどかしさを醸し出すのに上手く効いていると思った。2人が舳先で件のクサい芝居をするところからリフトアップされた後までの一連の流れ、会話、景観がとてもロマンティックで凄くイイ。
さて、ベン役のグレン・パウエル…上半身は眩しいくらいに立派なのだが、全身のプロポーションの方はと言えば…ちょっとご愛嬌で凄い親近感を覚えたよ。物語のト書きを随所で映像へ自然に埋め込む演出が面白いなぁ。自然に触れる場面でワライカワセミの鳴き声がきちんと聞こえたのもお国柄宜しく嬉しいポイント。ラストの歌唱パフォーマンス・フィナーレがまた愉快で好み。

字幕翻訳は永井歌子氏。
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