いち麦さんの映画レビュー・感想・評価

いち麦

いち麦

レイティングは5段階でざっくりと。作品の評価というよりはどれくらい気に入ったかで付けています。2017年全鑑賞作品のレイティング平均=4.1
(Since 2015/10/16)

映画(1520)
ドラマ(0)

ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

5.0

ISによる、PVの様に脚色された公開処刑や子供兵士を募るメディア戦略は今更だが、市民視点の生々しいリアルな映像には背筋が凍る。突然、理由もなく平穏な生活を奪われ命を脅かされる市民。シリア北部の街ラッ>>続きを読む

リアル(2016年製作の映画)

3.0

謎めいた二人の対置構造で引っ張りながら、解離性障害の裏に仕掛けられた意外な真相へ落とし込む展開。振り返れば随分と荒唐無稽な話に思えたり、強引なカット繋ぎや幻影的演出だったり。キム・スヒョンの演じ分け>>続きを読む

心と体と(2017年製作の映画)

5.0

ASDに悩む女性と、一度は色恋を卒業した男性との、ピュアで不器用な恋愛関係。二人を繋げる夢が鹿目線で吸引力大。屠殺場の容赦なさ、コミカルさまで醸すリアルで淡々とした映像描写だが、映画らしい優しさもあ>>続きを読む

女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.0

何度か絶望を味わうカティヤに吸い付く様に寄り添う描写は観るものを片時も離さぬ。彼女の決断を窺わせる場面も何度かあるが、最後の着地は展開上威力に欠け結局何が言いたかったのかと考えてしまうほど凡庸に映っ>>続きを読む

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

5.0

勝手な想像とは裏腹な、込み入った関係と互いの思い。それでも重くない妙味はJ.ブリッジス独特の語り口に依る処大。刺激的な展開と行き届いた人間描写を無駄なく短尺に纏めた良質感。キャスト勢にも満足。

映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~(2018年製作の映画)

4.0

世界平和の鍵となる、ぷにぷに拳の極意は、一見おちゃらけていながら奥が深く唸らされる。時代の世相を暗喩する枠組みから昔懐かしのギャグまで、相変わらず大人が見ても満足。

パシフィック・リム アップライジング(2018年製作の映画)

4.0

2D字幕にて鑑賞。イェーガーに憧れる者とカイジュウに惚れ込む者。今回の影の敵が使う技術ネタが面白い。尻すぼみな決着は弱く惜しいが、モンスターとロボットが未来東京を破壊しながら闘う映像には高揚。

ミスミソウ(2017年製作の映画)

4.0

手の込んだ仕掛けもなくワル者退治の如く進む…エグいスプラッターは笑い処かと見紛うほど。全ての発端を考えさせる、中学生らの幼稚な精神構造へ次々とフォーカスが移っていく終盤や、パーキー・サウンドの音楽は>>続きを読む

ベルリン・シンドローム(2017年製作の映画)

4.0

監禁物スリラーの色薄く、所謂ストックホルム症候群がテーマでもなく、異形な愛のドラマ…背景描写があり寧ろ女性に対する屈折した歪な感情を抱く男が焦点。T.パーマー演じるクレアがどう動くかで緊張感は十分。

グッバイ・シングル(2016年製作の映画)

4.0

痛いほど威勢いい落ち目女優と不幸な境遇の少女との不思議な交流。疑似家族で二つの意味で母になるジュヨン。優しい役処のマ・ドンソクに支えられた笑い、男性中心社会に物申す健気なキム・ヘスの演技が良かった。

娼年(2018年製作の映画)

5.0

娼夫として女性の欲望を心身ともに満足させる意味と苦労を喰む、松坂桃李の演技力。度重なる生々しい性行為描写に、主要な登場人物達の心情が重なっていく終盤が見応えあり。別れを悟る絶望的なセックスが胸を抉ら>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

3.0

親の愛を受けずに育った者は子供にも愛を与えられないのか。息子の失踪は愛を与えるべき対象の喪失、愛せない大人の象徴。その厭らしさがネッチリと描かれていた。思わせぶりなズームイン等、映像演出あざとく好感>>続きを読む

きみへの距離、1万キロ(2017年製作の映画)

5.0

北アフリカのパイプラインを、デトロイトから高性能小型ロボットの遠隔操作で監視する男の仕事ぶりが興味深い。傷心の彼が、モニター越しに遠く四半球も離れた異国の娘へ次第にのめり込み救われていく過程。Opで>>続きを読む

ダンガル きっと、つよくなる(2016年製作の映画)

5.0

父親に強引に引き摺り込まれたレスリングなのに勝利で女性蔑視インド社会に風穴を開けた娘二人が快い。試合中のショットも見やすく高揚したが、更に後半からは父と娘、姉と妹のドラマが熱く存分に魅せる。

ワンダーストラック(2017年製作の映画)

3.0

映画を擬えた様なモノクロ&サイレント・パートとの対比が分かりやすく追いやすい。ただ、二人の関係性も魅力的な設定となっているが、両パートとも物語の推進力が殆ど感じられない。J.ムーア本来の迫力を殺した>>続きを読む

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

4.0

2D字幕にて鑑賞。ゲーム世界らしいアドベンチャーが愉快。互いの絆が次第に深まる運びはベタだけど快い。いつもと違うD.ジョンソンのギャップ演技、J.ブラックらしいネタ披露も笑わせてくれた。

トレイン・ミッション(2018年製作の映画)

4.0

ミッションの裏に一つ二つ奥行きがあるのは良いが、真相が分かると端々が突っ込みたくなり困った。ただ、場面場面の緊張感と、揺るがぬ正義感強いマイケルを苦悩に歪む表情で演じ切ったL.ニーソンが見応えあった>>続きを読む

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

4.0

彼の為した功績よりも人間味溢れたプロセスに惹かれた。G.オールドマンはメイクだけではなく演技、特に声音が見事で、孤独な首相の内面を、弱さまで繊細に表現していて感嘆した。

グレート・アドベンチャー(2017年製作の映画)

4.0

怪盗ダンと刑事ピエールの腐れ縁が醸すホッコリ感や宝物を盗み出すハイテク手口はもう既視感アリアリながら、愉快で楽しめる。残念なのはJ.レノ相変わらずの浮いちゃってる感。そろそろ三枚目の線で決めて。

スローガン(1968年製作の映画)

3.0

脂の乗ったS.ゲンズブールと若きJ.バーキンを劇場で堪能。良くあるコースを辿るW不倫の話だが、男の気障な台詞や顔を顰めたくなる振る舞いに時代を感じる。物語内CMやベネチアでの派手なモーターボート乗り>>続きを読む

ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

5.0

正しくSWのルーツ的な映像世界。猥雑で如何わしいキャラ達。ベッソンらしい滅亡への恐怖を底に据えた物語に荒唐無稽な演出…と大満足。魅力のC.デルビーニュとデハーンは勿論、豪華キャスト勢も愉快。

レッド・スパロー(2017年製作の映画)

5.0

J.ローレンスが更に一皮剥けたコケティッシュな魅力を炸裂。数奇な運命に翻弄されながらも、最後まで自分を見失わぬ強さを磨いていったドミニカが、爽快で最高にカッコいい着地を果たす。脇も名優揃いで目が離せ>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

5.0

私欲私見を国家の正義と偽る為政者たち、マスメディア対権力者はタイムリーな問題。緻密な状況描写からも目が離せぬが、新聞社を継いだキャサリンが次第に逞しくなっていくドラマが揺さぶる。正義感や使命感だけで>>続きを読む

大英博物館プレゼンツ 北斎(2017年製作の映画)

5.0

90歳で死ぬまで進化し続けた驚異的な技巧…生涯に亘り精進して到達しうる域とはこういうものか。版画、“漫画”、様々な肉筆画のアナリーゼだけでなく、残した言葉から生き様まで浮かび上がらせる。著名な赤富士>>続きを読む

ミッドナイト・ランナー(2017年製作の映画)

5.0

警察学校で学んだ基礎基本をおさらいしつつ、持ち前の情熱で正面突破していく若いギジュンとヒヨル。バカが着くくらい真っ直ぐで正義感強い二人の活躍がとても清々しくそして熱い。笑いも程よくあって楽しめた。

バース・オブ・ザ・ドラゴン(2016年製作の映画)

3.0

ブレイクする前のブルース・リーとわざわざ渡米した中国拳法の達人との対決に纏わる実話を膨らませた逸話。引き目で映像演出を施さぬ格闘シーンは見やすく素の味わい。リーの成長が伝わってこないのが残念。

マザー!(2017年製作の映画)

5.0

VoDにて鑑賞。愛妻をも犠牲にして創作し続ける詩人の業が、無力で滑稽な神の姿へとシニカルに変幻。絵画の様に美しかった“家”の象徴的な使われ方や、終盤のカオス描写が圧巻。J.バルデムの慈悲深い演技が嫌>>続きを読む

BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

5.0

HIV感染に対する国の無策の罪を訴える活動から、治験を廻る製薬会社攻撃へと舵を切っていく、エイズ活動家団体ACT UPの生き生きとした姿。アデル・エネルが女性メンバー役として目を惹くほど好演。
>>続きを読む

空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎(2017年製作の映画)

4.0

吹替版をスルーして字幕(インターナショナル)版を鑑賞。
幻術の表現に限らず映像は見事。日本人キャストが唐の長安の絢爛舞台に馴染む感触が原語版の魅力。脚本も中国側なので感情移入の先をよく転換させるの
>>続きを読む

ニワトリ★スター(2018年製作の映画)

3.0

アニメーションを交えドライで単色的な前半の描写とは対照的な、色豊かで人間臭い後半のドラマ。井浦新の新鮮な演技も面白いが、相棒演じた成田凌が何処か憎めぬキャラと愛嬌マスクで魅力(成田凌のマスク、メイク>>続きを読む

馬を放つ(2017年製作の映画)

3.0

地域や人々の変容を憂いた男の、大胆な行動の真意を考えさせられる。土埃舞う乾いた自然や馬の躍動感を映すショットが惹く。男とは違う、今の世俗的考え方が巧みに織り込まれたドラマなど、物語を寡黙に映像で伝え>>続きを読む

遺灰の顔(2014年製作の映画)

4.0

イスラーム映画祭3にて鑑賞。身元が定まらぬ遺体を巡ってイスラム教徒の家族とキリスト教徒の家族とが互いに譲らぬ様をユーモアたっぷりに描く。人間は何でも所有したがる動物。双方が所有権を主張し合えば行き詰>>続きを読む

アブ、アダムの息子(2011年製作の映画)

5.0

イスラーム映画祭3にて鑑賞。信仰心に支えられた清廉な生き方を貫いてきたアブが、夫婦での巡礼ハッジを決意。浴びされる、汲み上げた水の音が清らかで心まで洗われる様だ。旅支度の整っていく高揚感が牽引する中>>続きを読む

エクスキューズ・マイ・フレンチ(2014年製作の映画)

4.0

イスラーム映画祭3にて鑑賞。父親の死後、それまでとは全く異なる公立学校の環境に必死で適応しようとする少年ハーニー。彼が自力で見つけていったその術は、ムスリム式でもキリスト教式でもなく、ましてや大人の>>続きを読む

ラヤルの三千夜(2015年製作の映画)

5.0

イスラーム映画祭3にて鑑賞。イスラエルの横暴な看守と無表情な兵士がうろつく刑務所。イスラエル側の犯罪者と、活動家らを含むパレスチナ人が一緒に収監されていて、両者の対立が塀の内側でも生々しい。身に覚え>>続きを読む

トゥームレイダーファースト・ミッション(2018年製作の映画)

4.0

2D字幕。往年のヒット作の場面が次々に浮かんでくるほどアドベンチャーの王道を押さえた展開。A.ビカンダー演じる細身で美しい身体のララが、格闘場面ではまだ強過ぎずハラハラさせ良い味。

>|