ソングライターの頭の中で止めどなく溢れ出るメロディや迸るハーモニーのメタファーとして、自閉症の少女を見ていた。人は人との繋がりの中でどれだけ逞しくなれるのか。ズーもエボも表情が豊かで素敵。心情描写と>>続きを読む
ひとの夢を後押しすることで自分自身も癒され変わっていく麗しさ。フィリピンから来た家政婦エヴリンが、半身不随で自暴自棄になっていた雇主男性を変えるきっかけEpが、なる程と唸った。英語題“Still H>>続きを読む
前作で一応成功を手にした筈なのにラグヴァランがまた情けない状態から再スタート。無職になると愛情が蘇る嫁の不思議に笑う。今回は正義感が先走りしてる印象だし、最後の決着は拍子抜けで爽快感も不足。でも細身>>続きを読む
不遇な理工系高学歴者が溢れているのはインドも同じか。社会問題を織り込んだ鬱憤晴らし痛快エンタメ作。前半=自身の不遇を憂う青年ラグヴァランの、母性本能を擽ぐるような魅力を描く恋愛パート、後半=柔に見え>>続きを読む
台詞の言い回しや笑い等、どれも古臭いけれど、それらが映像の色調にも良くマッチして良い意味で昔の映画を見ている味わいに感じられた。安定した寺島しのぶ、野田洋次郎も自然で良い。ただ劇中作品のネタが流石に>>続きを読む
苦戦を強いられていた英国がヒトラーを欺くために仕掛けた奇想天外な策略。作戦の行方はちょっとした捻りもあり軍事サスペンスが吸引する。また作戦の虚構の細部を詰めていくMI5のメンバー間に様々な感情が動き>>続きを読む
若い楽器奏者達の間に起こる度重なる衝突がリアルで、パレスチナとイスラエルの隔たりの深刻さが良く伝わってきた。でも個人的な関係はまた別次元であるとも…。ことさらに美談に収めようとしていない展開には好感>>続きを読む
自分たちの主張に耳を傾けてもらうために老人と息子が取った意表を突いた行動。ちょっとしたミス・リードも効いていて最後まで引き込まれた。法廷でケンプトンが繰り広げた弁護人への答弁はウィットとユーモアに富>>続きを読む
北アイルランドのベルファストで起きた暴動と混乱。K.ブラナーが幼少期に体験した家族の困惑と葛藤がよく描かれていて物語は興味深く見た。少年の独白には頼らぬドラマ作りの潔さも良い。ただ演出には不満が募っ>>続きを読む
青年期に味わった幾つもの苦々しい挫折を、その先に待つ成功への踏み台として描く爽やかな空気が魅力的。そこには常にポジティブ思考へと向かわせる伯父や彼のバーに入り浸る伯父の友人ら、家族の存在…年齢を越え>>続きを読む
セリーヌ・ディオンの半生を知ることができた。才能や幸運に恵まれながら堕落していく大物アーティストが多い中、彼女は成功と幸せを掴み切った数少ない者の一人では。障壁を乗り越え成就させた恋愛こそがその鍵だ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
かなり楽しみにしていたシリーズ作品の大団円。前作を通じてすっかり憎めない存在までになったクレアが殆ど躊躇いもせず見せる決断と行動。彼女の強さは相手への深い信頼感によるものであり、その根底にある思いが>>続きを読む
無邪気で浅はかな言動さえ残る少年少女らで組織された小部隊の行く末。吸引力ある展開、切り取られる映像の並々ならぬ威力、舞台となる高原と密林の景観に強く引き寄せられた。細部に説明不足や放りっぱなしが残っ>>続きを読む
“当たって砕けろ”的にバスターが皆を引っ張り困難を乗り越えていくシンプルな展開。美しい色彩とコミカルな動き。特に終盤山場のステージがカメラワークも良くアニメならではの魅力。マコノヒーやスカヨハら豪華>>続きを読む
なす術もなく崩壊していく家族とその再生の物語か。家庭内事情は分かるが自己中心的な兄タイラーに全く同情の余地がない前半部。もっと周りの家族に軸を置いて描いてくれていれば。妹エイミー中心に描かれる後半部>>続きを読む
白雪姫不在でよくぞここまで。所々で笑っちゃう様な強引な物語運びだがJ.チャステインやクリヘムの吸引力で飽きさせない。ゴージャスなキャスト勢が勿体ないほど真面目に演じるその姿の分だけ楽しめた御伽噺。
このレビューはネタバレを含みます
最終形態に辿り着くまで約1ヶ月間あまり紆余曲折を経てきたGet Backセッションの全貌。ディズニー・プラス未加入の自分はようやく発売された日本版パッケージ・ソフトを入手して、やっとのことで見ること>>続きを読む
幼い頃から親と一緒に体験した文化や伝統は自然と刷り込まれるのだろうが、多感な少年期に初めて見えた信仰や慣習は果たして受け入れられるのだろうか。フィクションだからこそテーマが明確になり強く訴えかけてく>>続きを読む
ジェシー・ジェームズのすぐ側にいて彼に憧れてさえいたボブ・フォードがなぜ彼を殺害するに至ったのか。その経緯を丁寧に追ったドラマ。殺害後の姿や心情までもが描かれていてとても見応えがあった。映像(演技)>>続きを読む
人肌が恋しくてしかたない老婆と妻の欲求に応えてやれない爺。この老夫婦がどんな風に若い男女たちを“料理”するのか、そのコンプレックスに満ちた感情の持って行き方が興味深い。ゴア度は弱めだがこりゃ別の意味>>続きを読む
初見のときはもっと真剣に見入っていた記憶があるが、今回の見直しはもうクスクス笑いながらの鑑賞になってしまった。見せたい画、先に有りきの荒唐無稽な展開、科学技術パートのお粗末さ、短いカットと粗い繋ぎに>>続きを読む
娘の身に起こった一夜のうちの事件。1カットだからこそ、この驚異的な時間の連続性が強くアピールする。起伏ある展開とドラマ構成で殆ど飽きさせぬ。ヴィクトリアの移ろいゆく心を演じた可愛いライア・コスタ嬢が瑞>>続きを読む
正当な自己防衛を目的としていても銃器を持って立ち上がった集団は正義と呼べるのか…見ながら頭を悩まされていたら予想を遥かに超えた展開が。まるで巧く練られたフィクションのような現実。OpがEdで豹変する戦>>続きを読む
イタリア映画祭2022。優しさを備えながら自身は妻への愛情表出のできない精神科医は、雇い入れた乳母との交流で学び変容し成長していく。激しい展開へと舵を取るような描写を幾つも仕掛けつつ物語は静かに展開>>続きを読む
イタリア映画祭2022。ヴァレリオを吸い寄せ放さないペッピーノの巧妙な口調と手口、デボラとの幸せを手にしながらもペッピーノに絡め取られ運命を狂わされてしまうヴァレリオ。二人の男が全く違う種類の人間性>>続きを読む
イタリア映画祭2022。監督が住むイタリア=ウンブリア州の片田舎。畑を抱え豊かに広がる草原と小さな森。その景観とここで暮らす隣人たちの生活の一端が長閑で見ているだけで癒される。
宇宙船には人類と地球の“善いもの”だけを詰めて送り出し移住させたかった筈。リチャードは子ども達の何を心配し何から守りたかったのか?親心とは裏腹に子どもは自分の力で生き自分の力で成長していこうとするも>>続きを読む
ミュージカルの映画化作品。3人の男性の愛の質や深さの違い。それに呼応し変容する女性の心。P.ディンクレイジの表情演技には満足。ただ早々に代筆を見抜いてもおかしくはないような演出が少々あざとく映り、ロ>>続きを読む
大きな旧家に嫁いだ女性の受難。古い慣習に拘りながら自分たちは家では何もしない男どもがとことん糞。アイヤッパン神もこんな男どもには少しお灸を据えないとね。
年季の入った調理器具を器用に使いこなし手の>>続きを読む
C.ファレル版のジェシー・ジェームズが格好良く、まさかの清々しい結末(笑)。銀行強盗に手を染めるまでの経緯にも不思議と共感でき、彼が時々見せる温情もあって好感度高い。特に彼の二丁拳銃使い(アキンボ)>>続きを読む
白人男性でありながら人種差別と性差別の入り混じった奇異な処遇を受けた駆け出しの頃。彼が披露するパフォーマンスと不屈の精神のルーツの一端がアフリカ系音楽とその信奉者たちであったことが良く分かった。そん>>続きを読む
信条や思想の違う者同士でも同じ極限状態に置かれたら手を取り合うことができるのか?1990年ソマリアで起きた実話ベースの韓国製社会派ドラマ。内紛が起こると警察も政府軍も反乱勢力と同じく我が身の命を脅か>>続きを読む
動画配信にのめり込み闇へと堕ちていく今どきの特異な人物たちを描きながら、普遍的ともいえる人間関係の罠を鋭く抉り曝け出した、とことん胸糞悪い話。与えた善意に対して好意の返しを要求するのは“見返り”ねだ>>続きを読む
「明け方の若者たち」の彼女側の事情を突っ込んで描いたスピンオフ。あの飲み会の後で一歩踏み出した言い訳がましく…。正編を見れば窺い知れる内容で余り新鮮味はなかった。大事な心情をほぼ全部、台詞(独白)で説>>続きを読む
苦い青年時代を形作る恋愛と仕事と友人関係。黒島結菜演じる“彼女”の言葉や様子に不自然に感じた処が暫くの間、結構沢山あったのだが、ある決定的な真実が明かされた後半からその全てに納得。この構成的な演出が>>続きを読む
まひろを演じた伊澤彩織のアクションは凄い…確かに一見の価値はある。息を吐くように瞬時に殺しに掛かるスイッチ切り替えが強烈。笑えるネタも多かった。ただ、高給取りなコントラクト・キラー2人の生活に女子高>>続きを読む