いち麦さんの映画レビュー・感想・評価

いち麦

いち麦

レイティングは5段階でざっくりと。作品の評価というよりはどれくらい気に入ったかで付けています。2017年全鑑賞作品のレイティング平均=4.1
(Since 2015/10/16)

映画(1841)
ドラマ(0)

ピアソラ 永遠のリベルタンゴ(2017年製作の映画)

2.0

大きな父親の影響力。一時は批判された彼の個性的な音楽が受け入れられる様になった理由は説明不足。時々入る気の抜けたフッテージに、噛み合ってない語り、三代に亘る父息子関係が分かり辛い等々、残念。

マチルダ 禁断の恋(2017年製作の映画)

5.0

強い恋慕と雁字搦めの現実との狭間で揺れ動く男女二人の悲恋。心を動かす台詞の数々。目を奪われるほどの絢爛美と衝撃的場面が映像でも盛り上げる。Op早々の壮絶シーンにもしっかり伏線が認められる等、見応え充>>続きを読む

ときめき♡プリンセス婚活記(2018年製作の映画)

4.0

婿候補の一人一人の表と裏を見せていく展開が面白い。終盤ベタなラブコメの王道を突っ走るのはお約束。シム・ウンギョンが持ち味の愛嬌を存分に振るった演出も納得。相性占いの是非が曖昧なままは一寸惜しい。

パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

5.0

謂わば女性の生理を過度に忌み嫌う田舎の風習との闘いだ。安価なナプキン製造方法の開発秘話が、インド女性の社会的地位向上へと繋がっていき熱い。サポートした都会派娘パリーとの成行が一寸切ない。

‪愛す
>>続きを読む

おとなの恋は、まわり道(2018年製作の映画)

2.0

結末もほぼ見えているし、殆どが二人だけのショットで画の面白みがない。出会った時からの二人の馴れ合い感やW.ライダーのシャープさが痞える。陳腐な劇伴はずっと流れているし、対話劇の妙味に乗れないと辛い。

暁に祈れ(2017年製作の映画)

4.0

ボクサーとしての力がそのまま生き抜く力になる壮絶な世界。収容所内もリング上も手持ちカメラによる近接ショットの繋ぎでシームレスに描写。画の圧迫感が凄まじくビリーの感じたままを映し出している感覚。ただ、>>続きを読む

セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!(2017年製作の映画)

5.0

東西冷戦が終ろうとする時代のキューバの不安感を認め、距離や立場を越えた人間同士の心温まる交流を描いた物語。宇宙に浮かんでいる様な映像演出、細部に至る機知とユーモアも実に豊かで魅力的。

プロミス ~氷上の女神たち~(2016年製作の映画)

5.0

のむコレ2018にて鑑賞。即席結成チームの各員はみな訳アリ。彼女たちを束ねる監督役がオ・ダルスなのでコメディ調にならない筈がない。でも終盤の山場である南北朝鮮対戦試合は姉妹の壮絶なドラマが入り見てい>>続きを読む

ドント・ヘルプ(2017年製作の映画)

4.0

のむコレ2018にて鑑賞。超常的能力が繰り出される訳でもなく演出も地味だが、強盗に入った娘たちは勿論、多くの人物たちの因縁まで引き摺り出され、寧ろこのネチっこい陰湿さがツボに嵌った。タマラの不気味な>>続きを読む

エリック・クラプトン~12小節の人生~(2017年製作の映画)

4.0

天才ギタリストの波瀾万丈な人生と彼の内面…家族を求めながら得られず音楽が彼を癒してきたのかも。幼少期からブルースに傾倒した訳が、パティとの不倫、依存症の生活など全てと繋がっていたと実感。

彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)

5.0

生身の身体に触れることも触れられることも叶わなくなった後なお違う形で愛するという行為を続ける尊さを噛み締めた。LGBT作品らしく母の視線など抑えた描写から伝わるものが豊かで素晴らしい恋愛作品だった。

オンネリとアンネリのふゆ(2015年製作の映画)

4.0

パステル調のカラフルな色彩、シンプルで可愛らしいデザイン、メルヘン・チックな効果音で、独特の世界観。根っからの悪人がいない話に終盤のお遊び的演出も愉快。今作でバラの木夫人の人物像が大分わかった。

チェコ・スワン(2015年製作の映画)

4.0

短尺だが、老婦人達の指導に当った若い女性バレリーナ=マルケータとの心の交流をさり気なく描いていて温かい。彼女自身も頑張るレッスン風景から、師事する師匠男性がなぜ彼女に指導を宛てがったのかも想像させる>>続きを読む

マダムのおかしな晩餐会(2016年製作の映画)

5.0

英仏の対比を認めながら、夢と現実の間で揺れ動く熟年乙女達の恋心を描く。恋する者には魔法がかかる時間が必ずある。魔法が解けた後の人の姿は堪らなく胸を掻き毟る。笑いと苦味がいっぱいの魅力的ロマコメ。

ポリス・ストーリー/REBORN(2017年製作の映画)

4.0

バイオ系SF仕立ての設定に、突っ込み処満載の大味な物語展開。だが、物量投じた豪華ド派手な演出シーンに目は満悦。アクションの質は変わってもジャッキーの魅力はまだまだ健在。存分に楽しめたエンタメ作。

へレディタリー/継承(2018年製作の映画)

5.0

トニ・コレットが持ち味活かした演技で引きつける。それに勝る展開の面白さと結末の画の怖さ。観る者を惑わす巧みなプロット。音響ビックリ系じゃなく、さり気ない映像で恐怖演出、製作側の真剣さ伝わる秀作ホラー>>続きを読む

ギャングース(2018年製作の映画)

4.0

犯罪社会にもハイエナの様なニッチがあって面白い。三人は何処か愛嬌がありノワールものの主人公にしてはやや半端だが、その分MIYAVI=安達の存在感が引き締める。着地は有りがちで意外とマトモなのが一寸勿>>続きを読む

Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~(2017年製作の映画)

5.0

字幕版を鑑賞。クリスマス・キャロル誕生譚。作家ディケンズの苦悩の正体を幻惑的映像で見せる。二人の対峙する山場には高揚…金策に奔走するディケンズと守銭奴であるスクルージ…なのに二人の心に相通じるものを>>続きを読む

くるみ割り人形と秘密の王国(2018年製作の映画)

4.0

字幕版で鑑賞。名楽曲やバレエを借りながらもホフマン原作にフック掛けた後日譚…ディズニー創作の全くの別物感。K.ナイトレイもH.ミレンもこれ位はそつなく熟す。マッケンジー・フォイにはもっとリケジョ的演>>続きを読む

バスターズ(2012年製作の映画)

4.0

のむコレ2018にて鑑賞。“権力者の犬”と見られてしまう辛い機動隊員たちだって、どうにもならない現実の問題や社会への憤りを抱えて生きている。過剰・過激な行動で連帯感を築き上げてきたオッサン達の現実と>>続きを読む

ムトゥ踊るマハラジャ(1995年製作の映画)

4.0

4K&5.1chデジタルリマスター版を鑑賞。無駄に豪華でおバカにさえ映る、歌と踊りの編集が最高。二人の心に火が着く場面と、続くパフォーマンスが大好き…“ビリー・ジーン”のビートをパクった様なあの歌で>>続きを読む

斬、(2018年製作の映画)

4.0

斬ること斬られることを生々しい映像で容赦なく見せつけ圧巻。劇伴と音響も響き良い。ゴロツキとの経緯に、ゆうの心が翻弄される様も見応えあった。剣の道を、人を殺すことの意味にまで還元した者の、あの末路には>>続きを読む

イット・カムズ・アット・ナイト(2017年製作の映画)

4.0

“イット”の指すものはスタンリーが追いかけて行ったモノだろうが、同時にトラヴィスの悪夢でも、またポール達が頭から拭い切れなかった物でもあるだろう。ホラーからスリラーへと舵取りした展開に満足。

ハード・コア(2018年製作の映画)

3.0

異色取り合わせキャスト勢とエロい演技、そこに緩めな演出が纏わりついて独特の味わい。水沼を演じた康すおんの演技も見応えあった。ただ要とも言えるAIロボットが被りモノ感を拭えず、和むというよりダサく映る>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

2.0

ハリーポッター・シリーズ非支持者の自分は前作よりも侵食してきたフックの数々にときめかず。映像マジックはまぁ良いが、繋ぎの粗さ、人物の心情描写のお粗末さ、借り物演出が残念。

前々からハリーポッター
>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

5.0

オリジナル完全版。美しい色彩とシャープな輪郭の映像をスクリーンで堪能。悪路に往生するトラックに格闘する彼等はまるで猛獣使い。CGなしリアル撮影でこれだけの映像が撮れると。カットのスリル煽る構図が素晴>>続きを読む

バルバラ ~セーヌの黒いバラ~(2017年製作の映画)

3.0

歌手バルバラを演じる女優ブリジットの物語の筈がいつしか、歌姫の赤裸々な生活そのものを覗き見ているよう…役と役者の境界の曖昧さと言うよりも寧ろ成り切り的陶酔感。監督・脚本のM.アマルリックが作品中の監督>>続きを読む

ガンジスに還る(2016年製作の映画)

4.0

死期に限らず、引き際を悟って臨む行為…当の本人はとても穏やか気持ちなのだろう。心のままに生きることと通じる人間の尊厳に思いを巡らせた。光と構図・色彩の美しいカットが多く絵画の世界に浸っている様だった>>続きを読む

クリスマスの夜に(2017年製作の映画)

5.0

ポーランド映画祭2018にて鑑賞。将来設計を秘め意気揚々と帰郷する長男を待ち構える、家族達の陥穽。ビターな家族ドラマを、爺ちゃんと末娘がユーモアで包む味わい深い作品。ダビド・オグロドニクの生々しい演>>続きを読む

メモリーズ・オブ・サマー(2016年製作の映画)

5.0

ポーランド映画祭2018にて鑑賞。母や女友達を通して、大人の女性観が少年の中に形作られていく感触。さらに少年がこの母をも包容できる男にまでなるには更に時間が必要だろう。母親の寂しさまで滲ませる終盤の>>続きを読む

サルト(1965年製作の映画)

3.0

ポーランド映画祭2018にて鑑賞。戦争のトラウマから逃げるかの様に男が潜り込んだ街に現実感はなく、どこか寓話的な世界。さらに彼の虚言と暗喩めいた台詞の応酬が加わる中盤はやや退屈したが、ユーモアたっぷ>>続きを読む

ザ・インターセクションズ(2016年製作の映画)

4.0

のむコレ2018にて鑑賞。人が物事をどう捉えるかで真実は複数存在する様に映る…これを手の込んだ編集で背反する世界の様に見せかけユニーク。しなやかなタイ・シェリダン以上にベル・パウリーの揺さぶり掛ける>>続きを読む

鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

5.0

母への気遣いからついた筈の嘘が、残された家族自身の深い苦悶を次第に引き出していく。その描写は自殺の罪深さを訴え激しく揺さぶる。仕掛けられた幾つかのミスリードからの真実が、巧みに着地に食い込む辺り、唸>>続きを読む

(2018年製作の映画)

3.0

何の変哲もない青年の日常が拳銃を手にしたことでどう変わっていくのか見たかったのだが終盤の展開が弱い。村上虹郎が演じた心の闇が今一つ突き抜けぬ。結構、独白部分が多かったが、映像で表現して欲しかった。銃>>続きを読む

おかえり、ブルゴーニュへ(2017年製作の映画)

5.0

家族の間に持ち上がる幾つもの問題。伝統ある葡萄畑とワイン作りをその手に委ねられた三兄弟。奮闘する次世代の若さやプライドが力強く魅力的。畑の美しさに収穫の繊細さや熟成の醍醐味も加わり芳醇な味わい。

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.0

幽霊が魂残す世界を、幽霊の視点で描いたユニークなファンタジー。寂しさや苛立ちなど心理描写を交えながら、もっとスケールの大きな世界へ誘う。想像掻き立てる映像優位な作品。

>|