いち麦さんの映画レビュー・感想・評価

いち麦

いち麦

レイティングは5段階でざっくりと。作品の評価というよりはどれくらい気に入ったかで付けています。2017年全鑑賞作品のレイティング平均=4.1
(Since 2015/10/16)

映画(1764)
ドラマ(0)

マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

5.0

リストの巧まざる外に浮かび上がる、彼女の学ぶべきこと。頭でっかちで堅物な処もあるが自分の気持ちに正直に行動するキャリーは「ダメ女」どころかとても魅力的に映った。ベル・パウリーの演技が素晴らしい。>>続きを読む

テルマ(2017年製作の映画)

5.0

題材は紛れもなくホラーだが、彼女の心に寄り添った視点で貫かれるため、人間の本能的欲求と文化的拘束の鬩ぎ合いさえ窺わせる、良質な人間ドラマにもなっていた。凍りついた湖面の美しさが、幾つもの恐怖に繋がる>>続きを読む

キラー・メイズ(2017年製作の映画)

3.0

シッチェスFS2018にて鑑賞。ダンボール製迷路のチープな外観と内部のそれなりに凝った構造のギャップ、作ったデイブの幼い精神構造を模した様なシュール展開、悪ノリ演出が笑わせる。でも本当はゼロからの製>>続きを読む

デス・バレット(2017年製作の映画)

2.0

シッチェスFS2018にて鑑賞。エロスや刳みを塗した刺激的なカットの拘り、悉く流れを寸断するかの様な、けたたましい銃声が印象的。アート風な寄りショットの多用から、折角の凄惨で仰天な物語の見通しが悪い>>続きを読む

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

4.0

高校時代の輝きと翳りを振り返る、ヤングアダルト達の苦味が効いた物語。人物間で今昔の対比バランスが今一つ。相互作用も薄いのが惜しいが、田舎町のリアルな感触や椎名と新保の人物像と関係が面白く味わい深い。

ピッチ・パーフェクト ラストステージ(2017年製作の映画)

3.0

A.ケンドリック中心にコーラス・パフォーマンスに一層磨きがかかったが話は散漫。歌唱で露骨なマウンティング、ディスりの中継など嫌らしさ健在ながら、差別的ニュアンスの台詞は少なくなった。

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)

4.0

自分の身は自分で護れ、私怨は自分で晴らせ、と言わんばかりの米国ならではの銃社会肯定感。前半の丁寧さに比べ復讐劇は割とあっさり進みストレート。ドラマ部分に首を傾げたくなる部分もあるがエンタメ性はまずま>>続きを読む

ハナレイ・ベイ(2018年製作の映画)

4.0

原作の要所を薄めつつも、痞えていたサチの感情を、家族との関係のフラッシュバックから炙り出す映像表現が活きていた。ただ、視点変えが一寸流れを止めていた様に思えた箇所も。吉田羊が見事に嵌っていたが、村上>>続きを読む

ブルー・マインド(2017年製作の映画)

4.0

変わっていく自分自身や距離感ある周りに対して抱く成長期の複雑な感情から、静かなホラーが浮かび上がる展開が新鮮。気色悪いのに何故か、大人になる事に擬えて見入った。ミア役ルナ・ベドラーの演技が自然でイイ>>続きを読む

スモールフット(2018年製作の映画)

5.0

字幕版を鑑賞。分断されてしまった者同士が再び手を取り合う為にはどうしたら良いのか。今の時代だからこその説得力ある快い着地。大きなテーマに様々な視点を添え映像的暗喩も効き見応え充分。親しみやすい楽曲と>>続きを読む

レインボウ(2017年製作の映画)

3.0

イタリアネオ+クラッシコ映画祭2018にて鑑賞。戦争が人間を弄ぶサブEp等、欠片の様な状況描写と、戦禍の中を疑念に駆られ友人探しに奔走する青年ミルトンの姿は、人間の私情の惨さを感じさせずにいられない>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.0

恋するサラを探しヒントを掴み謎を解きながら核心に近づく青年サムの冒険譚。急な場面転換の連続による幻惑的な演出は嫌じゃないが行き着いた先の心地悪さと最後まで彼の心の底に降りていけない処が残念。
申し
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エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)

4.0

彼が見えない身体なので自ずと母親やマドレーヌの立場で味わう。愛するが故に望むと却って損なわれる、というテーマを窺わせつつ、着地はそれを乗り越える愛の力を感じさせてくれた。客観描写の映像と主観映像との>>続きを読む

音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!(2018年製作の映画)

2.0

残る力を振り絞り、ふうかに声量を…と足掻くシンが熱い。シャウトに似合わぬ美声ながらパワフルな阿部サダヲが全開。ただ笑いは内輪ネタ風、ふうかの化け様も全然足りない。

スカイライン-奪還-(2017年製作の映画)

2.0

ジャロッドから始まりゃいいのにリブート紛いの駆け出しのかったるさ。中盤の勘違いな肉弾バトル、挙句に到達する陳腐なオチ、EdロールでNG集まで繰り出す始末。前作の恐怖は何処へ…おちゃらけ作品に成り下が>>続きを読む

ルイスと不思議の時計(2018年製作の映画)

5.0

字幕版鑑賞。ファンタジー・アドベンチャーを予想していたら寧ろホラー・コメディの演出が効いていた。流石はJ.ブラック、期待裏切らぬオチ付き。C.ブランシェットの鋭い眼光も素敵。家族の物語に纏め切った着>>続きを読む

バーバラと心の巨人(2017年製作の映画)

4.0

バーバラが戦っていた巨人の意味が変わっていく過程は彼女の成長であり、それをもたらすものが人間の心の力そのものである、という作りが響いた。ただ、周囲を頑なに拒絶する姿が余りにもハード…冗長なのも辛い。

負け犬の美学(2017年製作の映画)

5.0

ピークをとうに過ぎた者にとって現場で実力ある現役たちの間でどう生きていくかは人生後半の辛辣な課題。シビアで堪えるテーマだが、タレクとの関係や、家族との交流もさり気なく描かれていて引き込まれた。劇伴も>>続きを読む

日日是好日(2018年製作の映画)

4.0

お茶のお稽古を毎週繰り返す様に映画も描写を繰り返すが、季節は巡り年月が重ねられ典子の人生も過ぎていく。語り過ぎず映像から観客が感じ取る余韻。研ぎ澄まされていく感覚や人としての成長を疑似体験の様に味わ>>続きを読む

LBJ ケネディの意志を継いだ男(2016年製作の映画)

4.0

権力のためだけに行動しなかった稀有な政治家の熱いドラマ、と言いたい処だろうがジョンソン副大統領の心理はもう少し分析と描写が必要だろう。面白かったのは寧ろケネディ実弟ボビーの微かな表情変化。

フィフティ・シェイズ・フリード(2018年製作の映画)

4.0

これまで難易度高い愛の障壁を乗り越えてきた二人が、結婚後に迎えた危機は余りに平凡なもので拍子抜け。性描写も相変わらず軟弱だが、何をしてても直ぐセックスに雪崩れ込む新婚生活は微笑ましい限り。
今作は
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チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(2017年製作の映画)

5.0

尋常じゃないチューリップ熱に擬えた人間の愛情と値打ち。誰の視点で見るかで違った色を帯びる凝った物語がテンポよい。目にも愉しいキャスト勢、豊かな色彩と中世欧州の街の活気も魅力的。

ブレイン・ゲーム(2014年製作の映画)

4.0

A.ホプキンスの役処またかよって感じではあるが、真犯人を追い詰めていくにつれ、この話の真の主人公であろう博士自身の深部が見る側に伝わっていく映像描写は円熟味の域かと。その分、C.ファレルの色が薄くは>>続きを読む

イコライザー2(2018年製作の映画)

4.0

請負人でもなく組織に属するでもなく、自分の判断で悪人を処刑する凄腕キラー。何と言ってもD.ワシントンの渋いマスクと切れ味良いアクションに惹かれた。途中から先が読めてしまうものの、スリル感は最後まで絶>>続きを読む

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

5.0

資産家御曹司の母に負けないレイチェルの突っ張りが爽快。大勢をもてなすパーティー場面をメインに演出していて、色鮮やかな富豪の生活が嫌味に映らず寧ろ愉快豪快。親友役オークワフィナも存分に笑わせてくれた。

太陽の塔(2018年製作の映画)

2.0

太陽の塔を徹底的に掘り下げる、と言えば言えなくもないが、その方向性が…。大阪万博の回顧に浸れたのは最初のうちだけ。岡本太郎の思想に関する識者の分析には全くもって唆られなかった。見る人を選ぶドキュメン>>続きを読む

運命は踊る(2017年製作の映画)

5.0

糾える縄の如く、何度となく織り返すミハエルの禍福。それでも尚、温かい着地には、人生の出来事の一つ一つを因果応報と考えたくないと思った。深く重いテーマを、ユーモアと凝った映像演出、センス抜群の音楽で魅>>続きを読む

散り椿(2018年製作の映画)

2.0

豪快血飛沫と低位の殺陣が渋い…でもそれだけ。錚々たる俳優をこれだけ揃えながら端々白々しく見えるのは描くべきディテールを映像から落とし過ぎているからか。扇情的劇伴もしつこくて興醒め。揺さぶられそうな展>>続きを読む

かごの中の瞳(2016年製作の映画)

4.0

妻が視覚を失っていたことで夫も真の彼女を分かっていなかった…ある意味、両者夫々の“開眼”が押し広げていく夫婦の亀裂。寡黙な陰湿。妻の感覚世界を模した様な曖昧さとサスペンス調の鋭利さの協奏的な映像演出>>続きを読む

純平、考え直せ(2018年製作の映画)

4.0

ヤクザ周りのあれこれや任俠がひと昔前風。SNSを使った現代演出も話に食い込んでいってない。でも二人の気持ちが一つになっていく過程が純愛物の様に潤い感充分。柳ゆり菜演じる加奈が艶もあり愛らしく堪らない>>続きを読む

西北西(2015年製作の映画)

3.0

ゲイとしての生き辛さと、異文化の中で暮らす生き辛さの共鳴か…ユニークな視点持つ女性達のドラマ。薄暗がりの中で捉えられたケイの表情や声からは気持ちが読み難く想像するしかない。暗喩的なインコは始終元気な>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.0

有り得ない様な、文学設定を見せ切れるアニメの威力か。本題に入って直ぐ、あれ?と首を傾げていた描写が実は要で、山場に繋がって納得。おもてなしEpの底にシリアスなテーマが流れていた。丁寧な画も沢山あり満>>続きを読む

オペレーション:レッド・シー(2018年製作の映画)

2.0

カッコいい派手なカットやエグいカットの連続なんだがどれも極短、シーケンス繋ぎも粗くて見辛い。おまけに中国軍と特殊部隊の美談にしたい色が前面に出過ぎでリアリティからは程遠く作り物感が半端ない。

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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

5.0

離れ業の様なカンニングをリズミカルな演出でスリリングに見せ切る。その奥からリンとバンクの持つ屈折感を対比的に浮かび上がらせていく人間描写の味わい。キャスト勢の生き生きとした表情も魅力大。

ドラマと
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食べる女(2018年製作の映画)

5.0

ご飯を作って食べることに、手間隙を惜しまぬことから広がり繋がっていく、生きることの豊かさ。夫々の魅力を存分に湛えた一寸切ないEpの噛み合わせが滑らかで素晴らしい。物語の紡ぎ役的小泉今日子の姐御的な優>>続きを読む

死霊館のシスター(2018年製作の映画)

3.0

アイリーンの愛らしいマスクが与える安堵感が良いアクセントに。この映像の趣きも好み。典型的なビックリ系ホラーで効果音共々、結構テンポよく繰り出す。だが、それにしても余りにも要所要所の意味づけがなさすぎ>>続きを読む

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