いち麦さんの映画レビュー・感想・評価

いち麦

いち麦

映画(6259)
ドラマ(1)
アニメ(0)

地下室のメロディー(1963年製作の映画)

5.0

アラン・ドロン追悼鑑賞。フランスの大人気俳優ジャン・ギャバンとの共演作品。即席泥棒チーム3人がカンヌにあるカジノの金庫から大金を強奪しようと大胆な策略に出る。

老獪なシャルルを演じるジャン・ギャ
>>続きを読む

フランス式十戒(1962年製作の映画)

3.0

アラン・ドロン追悼鑑賞。 8つのパートから成るオムニバス。モーセの十戒をベースにしているが、ユーモアを交えキリスト教の戒律を揶揄したシニカルなオチになっている。現代人の行動をモデルにしているため親し>>続きを読む

太陽はひとりぼっち(1962年製作の映画)

3.0

アラン・ドロン追悼鑑賞。ミケランジェロ・アントニオーニ監督による都会に生きる男女・愛の不毛3部作の最終章。主人公はモニカ・ビッティ演じるヴィットリア。リカルドと夜を徹した別れ話の末にようやく一人にな>>続きを読む

Shirley シャーリイ(2019年製作の映画)

5.0

実在の米国ゴシック作家シャーリイ・ジャクスンと夫スタンリー・ハイマンを描いた架空の人間ドラマ。短編「くじ」(1948)発表後のスランプから再起し長編「絞首人」(1951)発表までの期間を描いている。>>続きを読む

ある一生(2023年製作の映画)

4.0

原作は世界的ベストセラー小説(未読)。雄大なオーストリア・アルプスの景観、時代の移り変わりとともに変化していく人々の暮らしをバックに映し込みながら描かれていく、ある1人の男アンドレアス・エッガー(青>>続きを読む

タイガー 裏切りのスパイ(2023年製作の映画)

3.0

サルマーン・カーン&カトリーナ・カイフ出演「タイガー」シリーズ3作品目。自分は1作目しか見ていなかったが大丈夫。多分、過去作を全く見ていなくても問題なし。カルギル戦争など現代のインドとパキスタンの抗>>続きを読む

ミツバチと私(2023年製作の映画)

4.0

性別不合(性同一性障害)の子どもの苦悩が養蜂に携わり自然と向き合うことで和らいでいく…そんな緩く穏やかな物語を想像していたが、いい意味で裏切られた。クィアたちの痛みを鋭く洞察した人間ドラマだった。>>続きを読む

クレオの夏休み(2023年製作の映画)

4.0

乳母グロリアの祖国アフリカ(カーボベルデ?)で一夏を過ごすことになったクレオ。グロリアの家庭はクレオにとって物珍しく新鮮に映ったに違いない。それでも、クレオが新しい環境と人々の中でも全くといっていい>>続きを読む

めくらやなぎと眠る女(2022年製作の映画)

2.0

日本語版を鑑賞。原作者:村上春樹ファンの端くれとして是非とも見ておきたい作品ではあったが、短編とはいえ6作品もの小説が組み合わされていると知ってから期待値はかなり下がっていた。各オリジナル短編が持つ>>続きを読む

生きる歓び(1960年製作の映画)

4.0

アラン・ドロン追悼鑑賞。ルネ・クレマン監督が「太陽がいっぱい」に続き再びアラン・ドロンを主役に迎えて撮った作品で、こちらは陽気なチャールストン風楽曲が似合う古風なドタバタ・コメディ。舞台は1921年>>続きを読む

若者のすべて(1960年製作の映画)

2.0

アラン・ドロン追悼鑑賞。邦題よりも原題「Rocco e i suoi fratelli 」の意味する「ロッコと彼の兄弟たち」の方がしっくりする。プロボクサーになった若いアラン・ドロンのファイト(のよ>>続きを読む

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

5.0

アラン・ドロン追悼鑑賞。言わずと知れたアラン・ドロンの代表作。子供の頃からTV放映カット版を父親と一緒に何度も見た(見させられた)。サインを練習する場面が一番よく記憶に残っている。大人になってから「>>続きを読む

墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

探り当てた埋蔵品を墓泥棒たちと共謀して売り捌き暮らすアルトゥール(アーサー)は忘れられぬ恋人を探すうちに、陽光のように明るい、過酷な環境で子供たちと逞しく生きる女性イタリアに出会い次第に感化されてい>>続きを読む

ポライト・ソサエティ(2023年製作の映画)

3.0

主人公リア(プリヤ・カンサラ)や因縁のあるコヴァックス(ショナ・ババエミ)が要所要所で仕掛けるカンフー、そこに盛り込まれるドタバタ・アクション、そして2人の友人アルバ(エラ・ブルッコレリ)とクララ(>>続きを読む

愛に乱暴(2024年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。まるでミステリー・サスペンスを見ているような人間ドラマ。物語の細部に至るまで限られた台詞と映像に落とし込まれていて、自分なりに主人公=桃子の内面はよく理解でき、真相と彼女の心情を読み取って>>続きを読む

学生たちの道(1959年製作の映画)

4.0

アラン・ドロン追悼鑑賞。「お嬢さん、お手やわらかに!」に続くミシェル・ボアロン監督作品。第二次世界大戦中、ドイツ軍侵攻を許しフランス北部がドイツの占領下となった時代。フランスの抑圧され鬱屈した世相と>>続きを読む

お嬢さん、お手やわらかに!(1958年製作の映画)

4.0

アラン・ドロン追悼鑑賞。一時流行ったロマコメとはまた一味違う展開をする恋愛コメディー。古い作品だし、まぁ有り得んような女たらしの色男ぶりなんだが、そこは絶世の美男子アラン・ドロンとあって最後まで楽し>>続きを読む

恋ひとすじに(1958年製作の映画)

4.0

アラン・ドロン追悼鑑賞。彼の主演としては第2作目(出演3作目)。デビューして割と直ぐの頃で静かで穏やかな演技が初々しく見える。この映画では彼の美しく透き通るような青い瞳がしっかり捉えられていて、演技>>続きを読む

フットルース(1984年製作の映画)

4.0

お馴染み青春ダンス映画ヒット作のひとつ。ケビン・ベーコン出世作。「フラッシュダンス」の翌年に公開になった。
超保守的な田舎街、この土地へ移り住んできた都会(シカゴ)育ちの青年レンが若者たちを抑圧す
>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

5.0

史実に基づくフィクション。複雑な相関を持つ大勢の人物を善悪の二極対立構造と軽重をつけた扱いで見せていて分かりやすい。その場面で何が起こっているのか状況を補足するテロップが随時入るのもとても有り難い。>>続きを読む

幸せはシャンソニア劇場から(2008年製作の映画)

4.0

最近はちょっと下品なコメディにもちょい役で出ているジラール・ジュニョ主演。
パリを見下ろす下町で、とある小さな演芸劇場の存続のために奔走する者たち。父ピゴワルと息子ジョジョの絆、娘ドゥーラと青年ミ
>>続きを読む

シチリアーノ 裏切りの美学(2019年製作の映画)

4.0

原題「Il traditore」は“裏切り者”の意。一体、誰が何を(誰を)裏切ったのか…金と権力を欲した者たちと家族への愛に徹しようとした者たちとが互いをなじり合うときに使った“裏切り者”という言葉>>続きを読む

フォールガイ(2024年製作の映画)

5.0

スター俳優トム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)のために危険なアクションだけではなく、とんだ“代役”まで請け負わされそうになったスタントマン=コルト(ライアン・ゴズリング)一発逆転の物語が>>続きを読む

探偵マーロウ(2022年製作の映画)

4.0

レイモンド・チャンドラー執筆によるものではないが、「長いお別れ」のスピンオフ的な続編「黒い瞳のブロンド」(本家公認)が原作。途中まで対話中心の込み入った状況説明が続き、殆ど吸引力のない画に退屈だった>>続きを読む

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.0

原作はレイモンド・チャンドラーの著名なハードボイルド小説「長いお別れ」。村上春樹も多大な影響を受けた一作として挙げている。でもこの映画で見る私立探偵マーロウの出くわす事件とその成り行きは自分にはあま>>続きを読む

さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)

3.0

原作はレイモンド・チャンドラーの著名な同名ハードボイルド小説。私立探偵フィリップ・マーロウが活躍する事件。ムース・マロイの悲哀は充分伝わってきたが、肝心のミステリー・パートが今作映画のメタ・データか>>続きを読む

クロス・ミッション(2024年製作の映画)

4.0

原題:크로스(クロス)。夫婦の間で隠し事はイケナイ。
やり手で射撃の名手、女性刑事カン・ミソンと完璧な主夫業で彼女を支えるパク・カンム(字幕では“ガンム”となっていた)の公私に亘るチームワークと夫
>>続きを読む

ジャンプ、ダーリン(2020年製作の映画)

3.0

主人公の青年ラッセルが披露するドラァグクイーンとしてのパフォーマンスが見せ場。彼が祖母に対して見せる優しい態度や、母親も祖母もラッセルが同性愛者であることに(この時点では既に)理解を示しているのが温>>続きを読む

ドミノ 復讐の咆哮(2019年製作の映画)

3.0

劣化版デ・パルマと評判芳しくないが自分は寧ろ主演のニコライ・コスター=ワルドウ目当てで鑑賞…なので取り返しのつかぬ初歩的なミスを犯す情けない刑事役だったが、そこそこ楽しめた。CIAが冷笑気味に描かれ>>続きを読む

ガラスの城の約束(2017年製作の映画)

5.0

社会に対して斜に構えヒッピーのような生き方をする父親(ウッディ・ハレルソン)と母親(ナオミ・ワッツ)。仕事も断酒も長続きせず暴力も振るう駄目な父親に対する娘ジャネット(ブリー・ラーソン)の気持ちの移>>続きを読む

ほかげ(2023年製作の映画)

2.0

「野火」に続く反戦色の窺える作品。日本がやった戦争の悲惨さをドラマで訴える塚本晋也監督は今の日本映画界には奇特な存在だと思う。その姿勢の尊さは理解はしているつもり。ただ、この映画には正直いって自分は>>続きを読む

サーチライト-遊星散歩-(2022年製作の映画)

3.0

貧困に追い詰められていくヤング・ケアラー、果歩の生活に射す一条の光明か。ちょっと前だと“援交”なんて言っていたのが今じゃ“JK散歩”ていうのか? 実態と社会背景は深刻化する一方で呼び名と気分はどんど>>続きを読む

ゴヨ(2024年製作の映画)

4.0

アスペルガーの青年が一回り以上も(?)歳上の女性に恋をする話。純愛もののラブストーリーが堪能できた。主人公の青年ゴヨは美術館でガイド解説員として働いている。絵画については驚くほど博識、ゴッホを敬愛し>>続きを読む

カプリコン・1(1977年製作の映画)

4.0

後戻りできない人たち。失敗が明確になった有人火星飛行宇宙船カプリコン1の成功をフェイクででっち上げようとしたドラマ。最近、劇場で見た「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」の元ネタのような作品。でもこちら>>続きを読む

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

字幕版(前夜祭上映)・吹替版とも鑑賞。
思春期になり感情がより複雑になっていく、ひとの心の成長過程を表した物語はとてもよく練られていて只々「素晴らしい」の一言に尽きる。
前作同様、物語をリードし
>>続きを読む

ツイスターズ(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

字幕版で鑑賞。諸々を吹き上げていく怪物のように荒れ狂ったEF5クラスの巨大な竜巻の凄まじさは見応え充分。劇場の大画面で見られてこその迫力映像だった。

「ツイスター」と同じく今作も竜巻回廊として世
>>続きを読む