いち麦

いち麦

レイティングは5段階でざっくりと。作品の評価というよりはどれくらい気に入ったかで付けています。
(Since 2015/10/16)

パリは今夜も開演中(2016年製作の映画)

3.0

フランス映画祭にて観賞。周囲を苛つかせるルイジの気まぐれで行き当たりばったりな行動や、彼に負けじと素っ頓狂な反応で湧かす古くからの仲間たち。爆笑を誘う感じではなかった。悲哀感を漂わす人物描写で纏めら>>続きを読む

いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ)(2017年製作の映画)

5.0

世界を飛び回る夢を持ちつつも何度も挫かれ折れていく吾郎の心の叫び、伴侶を選び人生を選び貫いた朋子の家族愛にも涙を誘われた。尾野真千子の素晴らしい演技。水先案内的な現代パートにも山場があり浸れた。

ラオス 竜の奇跡(2016年製作の映画)

2.0

戦後日本からアジアへの復興支援中に起きた内戦絡みのEpは自ずと日本自らの戦争記憶に繋がる。ラオスのゆったりとした生活が感じられる野生美映像。テンポや繋ぎが緩いのが惜しい。ノイ役のモデル女優さんが印象>>続きを読む

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

5.0

茶目っ気とユーモア溢れる振る舞いの父と、戸惑う娘の絶妙なやり取りに笑う。だが娘の危機的な心と生活バランスやそれを案じる溢れんばかりの父の愛が見えてきた途端、深く揺さぶる熱い人間ドラマへ一変。
父娘
>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

5.0

一度武器を手に持ったら行き着く先は人間同士の殺し合い。殺すこと以前に銃に触れることから拒むドスの信念が訴えかけるもの。敵味方双方ともに屍を晒す凄惨で容赦ない描写の連続は反戦メッセージ以外の何物でもな>>続きを読む

フィフティ・シェイズ・ダーカー(2017年製作の映画)

4.0

真の愛に気づいたグレイは倒錯した性的嗜好を本当に克服できるのか。興味深い題材だが説得力弱い。D.ジョンソン&J.ドーナンの美形マスクやソフト・タッチな濡れ場で感触良く誤魔化されてしまった感。

恋の秋(1998年製作の映画)

5.0

ロメール特集にて観賞。人生の秋の憂い。熟年男女の仲を取り持とうとする者たちの心の奥底までも覗こうとする、ちょっぴり意地悪でコミカルな物語。ある意味『友だちの恋人』に通じる。ラストでイザベルが笑顔の後>>続きを読む

夏物語(1996年製作の映画)

4.0

ロメール特集にて観賞。最初は明瞭だった彼の中での序列が次第に曖昧になっていく恋の妙。三人の娘たちの魅せ方、特にマルゴとソレーヌの追い上げ演出は見事。最後に救われたと宣うモテ男クンの小賢しさ…しっぺ返>>続きを読む

冬物語(1991年製作の映画)

4.0

ロメール特集にて鑑賞。奇跡的な再会を盛り上げる為の、長い長い“冬”の鬱陶しさ。あの「本物でない」感を確信していくフェリシーの移ろいが明確な台詞でリアルに描写。二人の出汁男も母親も周囲がとても寛容なの>>続きを読む

シュザンヌの生き方(1963年製作の映画)

3.0

ロメール特集にて観賞。男共に1ランク下に見られても決して振り切られない、シュザンヌの強かで猫の様な擦り寄り感覚が何ともウザったくもあり面白くもあり。「こういう女性は経験ありませんか?」監督の声が聞こ>>続きを読む

モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

4.0

ロメール特集にて観賞。恋を手に入れようと一寸強気になれる若い頃ならではの男の愚かさがコミカルに伝わってくる小粋な短編。でも女性の方が一枚も二枚も上手だったりする。気になる一切をラストで見せないドライ>>続きを読む

ハーフネルソン(2006年製作の映画)

4.0

ジャンキーの歴史教師が見せたパブリックとプライベートの狭間に入り込んできた少女との純な交流。伝えたい人に伝わらぬもどかしさ。社会は相反するものが押し合い、ダンの中は対極からの引き合いが続く…やるせな>>続きを読む

キング・アーサー (2016年製作の映画)

4.0

J.ロウのヴォーティガンが目を惹く。お馴染みのアーサー王伝説だが話運びの軽快なテンポや2エピソードをダブらせたエクスカリバーとその絶大威力を魅せる映像演出が楽しめた。所々、会話にユーモアが混じるのも>>続きを読む

世界にひとつの金メダル(2013年製作の映画)

5.0

競走馬とは違い幾多の障害を乗り越えて馬も人も成長する息の長い道程。何の為に選んだ道か迷う姿や淡く品の良い演出が印象的。馬ならではの三者の所有構造、馬術障害飛越競技に見る独特のルール等も興味深かった。

リベンジ・リスト(2016年製作の映画)

5.0

社会の闇構造まで切り込む容赦ない復讐劇、脇役まで吸引力あるマスクで深くのめり込めた。J.トラボルタとC.メローニの息の合ったバディぶりが一寸コミカル。殆ど一発で仕留める無駄のない銃弾の音がまた心地よ>>続きを読む

おとなの恋の測り方(2016年製作の映画)

4.0

コンプレックスより見栄…展開は王道ながら心の内面を障壁にした、ある意味辛辣なラブコメ。アレクサンドルの溢れ出る魅力や夫々が心を痛める姿が沁みた。引きのショットの画像処理が不自然…アイデア不足感が惜し>>続きを読む

レイルロード・タイガー(2016年製作の映画)

3.0

日本軍に対する市民ゲリラのコソ泥的列車強盗の始終がドタバタ感満載。彼方此方そこそこ笑えるものの画的には似た場面が続き少々退屈だったが、終盤のスペクタクルとエンドロールのお楽しみNG集で盛り返すとは。

ある決闘 セントヘレナの掟(2016年製作の映画)

5.0

不快さ半端ないが町の不穏さから引き込むミステリーや血生臭く衝撃的なサスペンスを存分に堪能できた。地域色やそこに根付く差別意識、登場人物達の背景もさり気なく描き込まれていて十分反芻に耐えうる秀作。

コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義(2016年製作の映画)

3.0

前作の着地点から豪華キャストでまた掘り起こされる対決…ド派手なアクションも盛り込むが寧ろ社会派サスペンスの色濃い。汚さが裏返す人物像の意外性に着いて行けるかどうかで好みが分かれそう。

22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

4.0

台詞の端々やテンポに甘い処はあるが、このリメイク版も韓国版オリジナルの面白さを損なわず日本向けに良くローカライズされていて楽しめた。藤原竜也のイメージを活かしたキャスティングは大成功と思う。

花戦さ(2017年製作の映画)

4.0

花が主役…と言っても良いほど、野に供された花も広間に組み上げられた花も兎に角どれも美しい。華道家元池坊監修の下、見事な生花を収集しアレンジしたスタッフに拍手。背景の水墨画も一体感あって素晴らしかった>>続きを読む

コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝(2016年製作の映画)

5.0

義を重んじるか人命を優先させるか揺さぶるドラマ、何度となく畳み掛けるアクション場面のどれも魅せ方が凝っていて飽きさせない。狂気の冷血漢役ルイス・クーと飄々としたエディ・ポンの吸引力も大。

アイム・ノット・シリアルキラー(2016年製作の映画)

4.0

ソシオパスのレッテルを貼りたがる周囲の御節介と少年の鋭い透察力が対照的。社会との繋がりを下地に仕込みつつ、連続殺人犯との対比・対決が面白い。ラストのクラシカルなホラー演出はちとやり過ぎかと。

セールスマン(2016年製作の映画)

5.0

劇中劇を鏡映しにしながら始まるミステリーからの終盤、意外な方向へと展開を見せ重い人間ドラマとして着地する見事な脚本。観る者の心理を巧みに揺さぶるこの居心地の悪さ。大切な人間の絆の拠り処について考えさ>>続きを読む

マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(2016年製作の映画)

4.0

何と強く適応力ある女性なんだろう。北朝鮮、中国、韓国と三ヶ国に跨がる波乱万丈の人生とその果てに彼女に見えてきた誠…どんな人間と関わったかによってその国の印象が変わるのは当然だろう。

武曲 MUKOKU(2017年製作の映画)

4.0

剣の道を極めようとした父親の悲しい業とその犠牲となった息子。二人の間に起きた悲劇を一身に引き摺る綾野剛の荒れっぷりが突き抜けていた。カタリストとなる村上虹郎の若く凛々しい姿も見処。ラストが清々しすぎ>>続きを読む

怪物はささやく(2016年製作の映画)

5.0

人間の持つ弱さを知りそれ故の二面性に向き合うことを少年自身が学び成長していく。その最も過酷な形を容赦なく突き付ける山場に胸が詰まる。現実と幻想の連続した世界観や怪物の物語が核心へと進む映像演出が素晴>>続きを読む

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

5.0

犯人の追跡劇をしっかり中心に据えつつ、被害者として警官として一般市民として…夫々の立場と方法で皆がテロと戦って行く覚悟を次第にフェードインさせる演出が見事。M.ウォールバーグの眉間が一際険しく見えた>>続きを読む

ブラッド・ファーザー(2016年製作の映画)

4.0

ダメダメな処がまたどこか相通じる似た者同士なのかも知れない父と娘。シンプルなまでに渇ききったサバイバル・アクションだが、互いを思う二人の純朴な愛情が溢れ、潤い感も十分。D.ルナの悪漢マスクも見処か。

ラプチャー 破裂(2016年製作の映画)

5.0

単なる監禁/脱出ものスリラーとしては勿体ない。“破裂”の意味するもの…近年注目のある科学技術をベースに話を膨らませているのでは、と睨んだり。荒唐無稽な人体実験も狙いを想像すると知的好奇心が十分満たさ>>続きを読む

ローマ法王になる日まで(2015年製作の映画)

5.0

時代が移っても虐げられ続ける弱き者、貧しき者に寄り添うフランシスコ。静かだが芯の強さ見せる姿、悔い悩む姿に引き込まれた。アルゼンチン史の暗黒部分をさらりと映像で嗅がせる演出は却って恐怖を掻き立てる。

素敵な遺産相続(2016年製作の映画)

3.0

お二人とも年齢を吹き飛ばすほどの華やかさで惹きつけるのは流石。マクレーンの娘役デミ・ムーアも熟年。ただ、思わず手にした大金の使い途が平凡。登場人物にもスリル感出せる要素があったのにかなり緩く纏められ>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.0

息子の理解が微妙に噛み合わぬ母親と成長著しい少年に、個性的な男女三人が独特な息を吹き掛ける。有機的な結び付きを見出そうと無機的な会話を繰り返す…痛さと酸っぱさの詰まった刹那、刹那の不思議な感触。>>続きを読む

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

5.0

栄枯盛衰を感じさせる渋く渇いた演出。老弱していくミュータントらの道程に強烈な哀愁が漂う。狂乱状態の如く能力炸裂する少女が自らの出自を乗り越え変わっていく山場に胸を掴まれた。後継者に思い託せた安堵感も>>続きを読む

ゴールド/金塊の行方(2016年製作の映画)

5.0

マコノヒー好演。アップダウンある展開とイイ着地点。ビジネスに陥穽至る処にあるもの。人は信じたい事だけを信じる…これが後出しにせず観る者にも映像で投げられていた。映像演出も至る処で冴えていて素晴らしい>>続きを読む

家族はつらいよ2(2017年製作の映画)

4.0

年寄りの悲哀を一層漂わし家族の大切さをさりげなく。橋爪功や西村雅彦のリアル・オーバーな演技達者ぶりは相変わらずだが、今作は妻夫木聡と蒼井優の若夫婦しっとり感や劇団ひとりの飄々とした割り込み感が良かっ>>続きを読む

>|